2024.02.16
【ベテランスタッフ解説】「TSUCHIYA」コレクション新作4アイテムの魅力とは?
【発売直後に】
「TSUCHIYA」コレクション
新作4アイテムの魅力を解説!
「TSUCHIYA バックパック」とは?
ご存じの方も多いと思いますが、昨年誕生した「TSUCHIYA バックパック」コレクションは、土屋鞄が考える「背負い鞄」の理想形として誕生しました。背負い心地や使い勝手の良さ、フォルムの美しさ、背負い姿の品格まで、背負い鞄に求められるあらゆる要素を追求した土屋鞄のマスターピースです。
1965年の創業以来ランドセルで培ってきた知見と技術を注ぎ込むとともに、革の魅力を引き出す新たな表現にも挑戦。土屋鞄の頭文字“T”をあしらった「シグネチャーレイズド」仕様にも取り組みました。特集ページで画像をご覧になって、目を奪われた方も多いのではないかと思います。
土屋鞄のものづくりのDNAを
共有する新作4アイテム
そうした、「TSUCHIYA バックパック」に詰め込まれている土屋鞄のものづくりのDNAと魅力を、より日常で気軽に楽しめるコンパクトなショルダーバッグとして派生させたのが、今回の「TSUCHIYA クロスボディバッグ」と「TSUCHIYA ミニショルダー」の4アイテムでした。だから、随所にそのエッセンスが取り込まれています。
左:TSUCHIYA バックパック(プレーン)
右:TSUCHIYA クロスボディバッグ(プレーン)
なかでも、そのエッセンスが色濃く反映されているのは、デザイン面ですね。革の表情を生かすふっくらとした面遣いや、アシンメトリーな立体的フォルム、単純な楕円形ではない有機的な形のアウトライン——これらの特徴的なデザインは、「TSUCHIYA バックパック」の上部の形状から着想を得て、縦にしても横にしても持った時に美しく見えるバランスを模索したものなのだとか。
「360度、どの方向から見ても面白みがあるデザインを目指した」と、デザイナーが言ってましたけど、確かに、見る角度によって顔つきが大きく変わるので、ずっと見ていても飽きがこない感じがしますね。
ランドセルメーカーならではのこだわり
また、背面には「TSUCHIYA バックパック」と同じく、硬軟2種類のクッションを封入しています。これって、実は土屋鞄のものづくりの原点であるランドセルの背中と同様のつくりなんです。もっと驚くのが、「クロスボディバッグ」の場合、なんとショルダーベルトの裏側にまでクッションを入れているということ。もう、めちゃくちゃ手がかかっていますよね。
これらのおかげで、今回の4アイテムは体への当たりが大変ソフトで、しかも形崩れしにくくなっているんですが、正直、ここまで持ち心地や形の美しさにこだわったクロスボディバッグはほとんど見たことがありません。手前味噌ですが、ランドセルメーカーである土屋鞄ならではのスペックと思います。
「シグネチャーレイズド」を
日常使いで気軽に
もちろん、「革メルマガ」担当としては、革に触れないではいられません。メイン素材は、「ウルバーノ」シリーズや「TSUCHIYA バックパック」と同じ、イタリア製の高級タンニン鞣し革「バケッタ・ミリングレザー」。トスカーナのタンナー(皮を鞣す工房)に、伝統を継承した製法でつくってもらっている革なんですが、とにかくエイジングが早くて深い。
左:未使用、右:使用歴8ヶ月
オイルをたっぷり含んでいるので使い始めのうちは手入れが要らず、使うことで革の中からオイルがにじんできて、味が増していく感じです。だから今回の4アイテムも、出掛けるたびに自分の色つやに変わっていくはず。高価な製品ではありますが、ラフなスタイルのアイテムなので、あえてガシガシ使い込んだ方がいい感じに育つと個人的には思います。革好きなら、育てるのが楽しくて仕方ない鞄ですね。
まして、土屋鞄の頭文字“T”のパターンを立体的にあしらった「シグネチャーレイズド」仕様なら、凹凸の表情の変化まで楽しめる特典(?)がもれなく付属。使い込むほど立体の浮き出しがならされて、微妙な陰影のあるつやつやのモノグラムみたいになるのがたまりません。ストリートやモードにも合うようにつくったとデザイナーが言ってましたが、ガンガンに味が出たこの鞄をスマートに羽織っていたら、さぞかし格好いいと思いますよ。