2023.12.08
【徒然革】
「オリジンオイルヌメ」の数量限定色
エイジングさせてみました
日常生活の役に立たない、
マニアックな革のうんちく知識を
気ままにつぶやく
「徒然革(つれづれがわ)」
つれづれなるままに日暮らし、
PCに向かひて、
心にうつりゆく革のよしなしごとを
そこはかとなく書きつくれば、
あやしうこそ革狂ほしけれ——
かつて「副店長」の肩書で、数々のマニアックな革のうんちくコラムを担当した古参スタッフが、日常生活の役に立たない、知るだけムダな革や鞄の小ネタを気まぐれにお届けします。
今回は、「オリジンオイルヌメ」シリーズのメイン素材「オイルバフドレザー」と、12/14(木)に発売される数量限定色「レディッシュブラウン」を、山添目線でご紹介。今回の数量限定色のエイジング具合を、革フェチ目線でお届けします。
お暇な時間に、あたたか~いポタージュスープ(※コーンなし)を飲みながらどうぞご笑覧ください。
革好き必見の味自慢シリーズ
「オリジンオイルヌメ」
さて、ご存じの方も多いとは存じますが、念のためおさらいを。今回、数量限定色が出る「オリジンオイルヌメ」シリーズは、時間とともに変化する革の味わいを余すところなく楽しんでほしい、という思いから生まれたレザーコレクションです。
石の彫刻のような“プリミティブな造形”と、現代のスタイルにフィットするモダンなテイストを取り入れたデザインが、エネルギーを感じさせるダイナミックなフォルムとおおらかな面の変化で革の魅力を引き立てます。
定番カラーのエイジングはこんな感じ!
※画像をタップすると、製品ページをご覧いただけます。
トート
左:未使用 右:使用歴4ヶ月
このシリーズの魅力は、何といってもオリジナルの革素材「オイルバフドレザー」。ナチュラルな風合いの牛革にオイルとワックスを何度も塗り込み、表面を起毛調に仕上げたオイルレザーで、素朴な表情と優しい肌触りに、野性味も兼ね備えています。
この革のエイジングは、変化の豊かさが特徴。豊潤なオイルの効果で色味が徐々に深さを増し、最初はマットな印象の表面が均されて、しっとり滑らかな光沢を纏います。さらに、折り曲げた部分の色が薄くなる「プルアップ」が表情を豊かに。小傷もすぐなじんで目立たなくなり、味わいの一部になります。
数量限定色「レディッシュブラウン」のエイジングは……?
さて、そんな「オリジンオイルヌメ」シリーズに登場する数量限定色「レディッシュブラウン」とは、どんな色でしょうか。手掛けたアーティスティックディレクター曰く、落ち着いた赤味調のブラウン色の中にも、プリミティブでエネルギッシュなニュアンスを秘めた印象。ウルル(エアーズロック)やアンテロープキャニオンの赤土のような、雄大な大地の迫力をイメージしているとのこと。
そんな説明を聞くとエイジングが気になるのは、革フェチの性(さが)。サンプル育成の依頼が都合良く舞い込んでこないか……と、一日千秋の思いでラジオ体操をしながら待っていたところ……来ましたよ、編集部からの依頼。「スタッフのS谷さんが撮影で使ったサンプル、どうです?」と。
こう見えて多忙を極める中ですが、革のことだから断れないし、仕方ないなあ……というわけで、未使用の状態からではないですが、思わずこぼれる笑顔を全力で隠しながら誠心誠意育ててみたエイジングの模様を、ひと足早く皆さまに公開します。
わずか2週間でこのエイジング
しっとり感のある深い色味に
というわけで、喜色満面であくまで仕事に徹して試用したのが、こちらの「フォールディングウォレット」。未使用のサンプルを手にしたときの印象は、確かにアーティスティックディレクターが語るような雰囲気。もっと分かりやすい例え方をすると……横浜の赤レンガ倉庫ですかね(※個人の感想です)。
さて、そんな「レディッシュブラウン」の財布を、計2週間ほど使ってみた結果がこちら。未使用サンプルと比べてすぐ分かるのは、色味が明らかにこっくりと深~くなっていること。表現が難しいところですが、赤味が落ち着きながら渋みを増して……ううむ、「熟成」という感じがぴったりですね。
そして特筆すべきは、「オイルバフドレザー」ならではの変化なんですが、表面の起毛感がならされてスムース調に近くなり、しっとりとしたつや感が出てきています。最初は乾いた赤土やレンガのような風合いだったのが、いい感じにしっとり感を含んで、"体温を感じる"ような有機的な雰囲気に。元のマットな表情もカッコいいんですけど、なんかリアルに"育ってる"感じがして、愛着感湧きますねえ、これは。
今回はわずか2週間の試用でしたが、色のエイジング速度は土屋鞄の革でも有数かもしれません。ボトムスの尻ポケットでじっくりと育てたら、色味がもっと深まり、光沢も最終的にはテヤテヤになって、アンティーク感が出てきそうです。うーん、もう少し使ってみたかったかな(※個人のわがままです)。
ラインアップ
集え、革フェチ!
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