【徒然革】バケッタって何だ? 「ウルバーノ」シリーズの魅力

【徒然革】
革を語るメルマガ:バケッタって何だ? 「ウルバーノ」シリーズの魅力

2024.3.16

日常生活の役に立たない、
マニアックな革のうんちく知識を
気ままにつぶやく
「徒然革(つれづれがわ)」

つれづれなるままに日暮らし、
PCに向かひて、
心にうつりゆく革のよしなしごとを
そこはかとなく書きつくれば、
あやしうこそ革狂ほしけれ——

かつて「副店長」の肩書で、数々のマニアックな革のうんちくコラムを担当した古参スタッフが、日常生活の役に立たない、知るだけムダな革や鞄の小ネタを気まぐれにお届けします。

なんと、今年初めての“革メルマガ”となる今回は、土屋鞄でも有数のロングセラーでありながら、これまであまり触れられたことの少ない隠れた実力者「ウルバーノ」シリーズとそのメイン素材「バケッタ・ミリングレザー」、そして3/14(木)に発売された新色「カフェ」を、革フェチ目線でご紹介します。


お暇な時間に、「バケッタ・ミリングレザー」のエイジングと同じくらい濃厚なエスプレッソ(量はデミタスカップ)を飲みながらどうぞご笑覧ください。

 

イタリア伝統の鞣し製法を継承する
「バケッタ・ミリングレザー」

「コードバン」「ブライドル」各シリーズと同様に「ウルバーノ」でも、その魅力の大きな部分を占めるのはメイン素材の「バケッタ・ミリングレザー」でしょう。この革は、土屋鞄がイタリアのタンナーにアレンジしてもらった革ですが、その名にあるように、この革は「バケッタ製法」という鞣し方でつくられる革の一つです。

イタリア・トスカーナ州

「バケッタ(vacchetta)」はイタリア語で「雌牛の革」を意味する言葉で、特にトスカーナ地方でつくられてきた、純粋な植物タンニン鞣しで仕立てられる伝統的な牛革のことを指します。植物のタンニン(渋)だけで鞣した固いヌメ革にオイルをたっぷりと含ませて仕上げた、非常に丈夫でしなやかな革です。


この製法は、約1000年前から続くという中世イタリア式の皮鞣し法を継承したものとされ、その源流はなんと古代ギリシャ・ローマ時代にまでさかのぼると言われています。この古代の製法は欧州各国の革のルーツとなっていると思われますが、その「直系」の製法がトスカーナのサンタクローチェ地区を中心に継承されているというのです。ロマンですね。


土屋鞄はイタリアの伊達男をイメージしたコレクション「URBANO」の革を採用するに当たり、そんな伝統を背景に持つバケッタ製法の革を使いたいと考えたわけです。

革の初心者でもアジアジに育つ、
早くて深いエイジング力

そんな「バケッタ・ミリングレザー」は、上質なカウハイド(雌成牛の皮)の、首から肩にかけての部分を原皮として使用しています。

ここは繊維が太いため非常に丈夫で、かつ大きなシワが多いため表情に富む部位です。これを植物から抽出したタンニン(渋)100%でじっくりと鞣し、動物性・植物性混合の天然ブレンドオイルをたっぷりと浸透。さらにドラムで空打ちすることにより、自然なシボ模様を付けて仕上げています。

そうして生まれる「バケッタ・ミリングレザー」はナチュラルな上質感の高さに深い風合いと、豊かな表情が合わさって、一枚一枚が実に個性的。使い込むほど、なじんで柔らかさが増してきます。また革同士をこすり合わせるとギュッと音がする、いわゆる「鳴き」が入るのも革好きにはたまらないところです。

スタッフ愛用の「ベルトカードケース」

そして何といっても、この「バケッタ・ミリングレザー」の魅力は、早くて豊かなエイジング(経年変化)。手にするたびにその色味がどんどん深みを増し、シボが徐々に滑らかにならされて、蜂蜜を塗ったように味わいと透明感のある光沢を重ねていきます。自然な仕上げのため傷は多少付きやすいものの、むしろそれが味わいに見えてしまうのも、この革が持つ豊かな風合いの力。古き良き革の風情を濃厚に残した“トスカーナ流”の味わい深いエイジングを、末永くお楽しみいただける革なんですね。

イタリアの伊達男をイメージした
こだわりのアイテム

関連する記事

PRODUCTS

【徒然革】
我が溺愛の「トーンオイルヌメ」(前編)

PRODUCTS

「ウルバーノ」シリーズ
新色「カフェ」発売

MAIL MAGAZINE

読み物としてお楽しみいただけるコンテンツや、最新の製品情報などをお届けしています。
※プライバシーポリシーをよくお読みいただき、同意の上ご登録ください。