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【特別号】
スタッフ・山添と嶋谷が、
新登場のケア用品について
語り合います(「ブライドル」篇)

2024.9.7

土屋鞄のケア用品に新たに仲間入りした、「レーデルオガワ コードバンケアワックス」と「セジュウィック ブライドルレザーケアクリーム」。

他のケア用品との違いや具体的な使い方など、革好きの2人に聞きたいことを、メルマガ編集部のスタッフが聞いてみました。今回は「セジュウィック ブライドルレザーケアクリーム」についての内容をお届けします。

まずは新製品をご紹介

J&E セジュウィック社製「ブライドルレザー」の魅力を保ちながら、長く愛用するための純正ケアクリームです。

専用ケア用品がある理由

ーー山添さん、ブライドルレザー専用のクリームがある理由について教えていただけますか?

山添:「ブライドルレザーケアクリーム」は、土屋鞄の「ブライドルレザー」を製造している英国のタンナーが、その保革に最適な成分を自ら配合したものなんだけど、要はそれが他のケア製品に比べると特殊なんです。

ブライドルレザーは馬具に使われるような堅牢性や、琥珀のような艶感が特徴ですが、それをつくり上げているのが「タロウ(tallow)」と呼ばれる油脂です。

ブライドルレザーを普通の革と同じような感じに経年変化させたいのであれば、「コロニル シュプリームクリームデラックス」でも十分ですね。

ーー「普通の革」になっていく、とはどういうことでしょうか?

山添:表現の仕方が難しいのですが、例えば「ヌメ革」だったら使い込むほど柔らかさを増して、ソフトなつやが出てくる感じ。それに対して「ブライドルレザー」は、使い込んでなじんできても形はかっちりした印象で、光沢も琥珀のように硬質感のある感じで独特なんです。

山添:だから、ブライドルレザーらしい風合いを保ちつつ長く愛用したいのであれば、タンナーが調合した成分を足した方が良いんですよね。

嶋谷:正直、目で見て明らかに分かるレベルの違いではありませんが、より革をつくるプロセスにフォーカスして、最適なもので保湿するのがそれぞれの専用クリームなんだと思います。

ーーなるほど。それぞれの革ならではの風合いを保ちつつ、長く愛用したい方には専用クリームが適していると。「ブライドルレザーケアクリーム」を塗るとき、何か意識すべきことはありますか?

山添:ブラシで表面や縫い目、隅に溜まったほこりを落としてからクリームを塗る時、「とにかく薄く塗り広げる」ことを意識してほしいかな。個人的な意見としては、ラード状のクリームなので、クロスを使わずに指の腹で溶かして緩くなってから塗り広げた方がクリームの量を調整しやすいと思います。

嶋谷:指で塗る場合は、革に爪の傷が付かないように短めにしておくと良いですね。

山添:一つ覚えておいてほしいのは、専用クリームを塗っても独特のブルーム(ロウの白い粉)が復活するわけではないというところです。

革があたたまると、人が汗をかくように表面にタロウが滲み出てくるのですが、普段使っていると、革の表面が磨かれたり、溶け出したタロウが革に擦り込まれてなじんだりするので、ブルームが残ることはありません。

嶋谷:ところが使わないでいると……例えば夏に、暑い部屋でタロウが滲み出た後に冷房などで急に冷えると、タロウが革に戻らず残ってしまうことがあります。専用クリームを塗ったからといってブルームが出るわけではなく、温度差で出るんですよね。

ーー「ブライドルレザーケアクリーム」でのお手入れの頻度はどのくらいが目安でしょうか?

山添:そんなに頻繁にお手入れしなくて大丈夫だと思います。ラード系のような時間をかけてクリームを浸透させるものは、逆にいうと革の中により長く留まってくれるということなので。

ーーコードバンの専用クリームは塗ってから5分ほど待ってからクロスで磨きましたが、ブライドルレザーの方はいかがでしょうか?

山添:クリームの塗りたての状態で革に触れると、指紋が付いてしまいますが、表面がさらっとしている状態だったら大丈夫です。
今だとまだ乾いてないのですが、触ってみますね。

嶋谷:製品に指紋が付きましたね。

山添:もしブライドルレザー専用のクリームを塗って、10分などの短い時間でブラシをかけるとどうなるかというと、要は表面が乾いていない状態なのでブラシの刷毛目が付いたり、クリームがブラシに付いちゃったりするんです。クロスだと繊維が革に付着するので、我慢強く乾燥を待つのがポイントですね。

ーー具体的にいうと、どのくらいの時間クリームを浸透させれば良いですか?

山添:繊維まで浸透させるのに数時間はかかるので、夜寝る前に塗布して一晩くらい寝かせるのがおすすめです。

ーー同じ製品の裏面に「コロニル シュプリームクリームデラックス」を塗ってもらいましたがどうでしょうか?

山添:コロニルの方はクリームを塗ってから3分ほど経つと、触っても指紋が付いていませんね。

嶋谷:コロニルは専用クリームよりも短時間でお手入れできるのが良いですね。

山添:どちらのクリームを使っても良いので、定期的にお手入れするのが大事です。触ってみて乾燥を感じたら、クリームを塗る習慣を身に付けてもらえると嬉しいですね。

嶋谷:そうですね。専用クリームとコロニルのクリームのどちらも使えるので、選択肢の幅が広がったと思っていただけると良いかなと思います。ケアした後の製品を写真でお見せして違いを伝えるのはなかなか難しいですが、違いを確実に実感はしているのでぜひ使ってみてほしいです。

嶋谷:革の初心者でお手入れに不慣れな方はもちろん、自分でお手入れするのは難しいという方もお近くの店舗に足を運んでいただいて「お手入れサービス」を受けていただければと思います。

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