2024.11.29
なぜ「同じ形で違う革」の
アイテムが多いのか
多彩なラインアップの中で、実は結構「同じ形で違う革」のアイテムが多い土屋鞄。え、革が違うだけで何が変わるの?ということで、「選ぶのに悩みます」との声もちらほら……。
そこで今回、そのお悩みを解決するために、革メルマガでおなじみの古参スタッフ・山添に聞いてみました。どうぞ最後までお楽しみください。
──そもそもの疑問ですが、土屋鞄にはなぜ「同じ形で違う革」のアイテムが多いのでしょうか。
良い質問ですね。端的に言いますと、「革の多様な個性と魅力の違いを比べながら楽しんでいただきたい」からです。そのためには、同じアイテムにいろいろな革のバリエーションがあると比べやすいし、ベーシックな仕様でシンプルな形のアイテムの方が革の違いが直感的に分かりやすいのでは、と。革を使う楽しさにこだわる土屋鞄ならではの発想かもしれませんね。
最も多彩な革遣いの
アップルウォッチバンド
──なるほど。ちなみに、革違いのバリエーションが一番多いのは「アップルウォッチ用レザーバンド」ですけど、これはなぜでしょうか。
ランドセルの「端材」から生まれたアップルウォッチバンド
アップルウォッチバンドはパーツが小さいため、他のアイテムのパーツを抜いた残りの革からでも採れます。破棄する革を減らすことができるので、土屋鞄が創業より受け継いできた「素材を大切に使う」という思いから多くの革でつくっていて、その分バリエーションが多くなっています。
──最近も限定色が登場するなど、一番目移りしてしまうアイテムですよね。そんな多彩なアップルウォッチバンドの中でも、ぱっと見で似ている「ヌメ革」と「ブライドルレザー」の違いを教えていただけますか?
ヌメ革の「ネイビー」カラー着用
どちらも、アップルウォッチを装着しながら革のエイジングが楽しめる点では同様ですが、「ヌメ革」の方がより素朴な味わいのある柔らかな印象のエイジング。
ブライドルレザーの「ブラック」カラー着用
「ブライドルレザー」は表面に琥珀のような味わいのある光沢を纏う、格調高い感じのエイジングですね。また、初めは少し固く感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、なじめばピタッとフィットしてくれるのも共通点です。
雰囲気としては、「ヌメ革」の方がよりナチュラルな風合いで寛いだカジュアル感があり、「ブライドルレザー」はよりドレッシーかつフォーマルな印象ですので、コーディネートの硬軟に合わせて使い分けられると楽しいですね。
時にはあえてカジュアルに「ブライドルレザー」の方を合わせて引き締めたり、逆にスーツに「ヌメ革」を合わせて軽く崩したりも。
アップルウォッチができるまで
革違いで集める方も多い
“Lファス”
──土屋鞄のロングセラーアイテムであり、色や素材違いで複数愛用している方もいる“Lファス”(「Lファスナー」「ハンディLファスナー」ほか)にも、毎年登場する限定版など多彩なラインアップがありますね。
ポケットサイズで、表に2枚の革を張り合わせたシンプルな設計だから、エイジングを気軽に楽しむにはぴったりのアイテムですよね。今回は特に個性的な3つをピックアップしてみました。
──個性が全く異なるので、本当に目移りしてしまいます。ここまではカジュアル系のアイテムでしたが、ビジネス小物コレクションの「ヌメ」「コードバン」「ブライドル」の3シリーズには、同じ形のアイテムが多いですよね。
そうですね、ビジネスシーンに合うスタイルと品格を押さえつつ、素材の好みでお選びいただけるコレクションになっています。最もベーシックな仕様の二折財布で、3つの素材による魅力の違いを説明しましょうか。
これらの魅力あふれる革を、奇をてらわず加飾を排したベーシックな形で持つことで最も素直に味わうことができ、ビジネスシーンに密かな楽しみを持ち込めるのがいいですよね。“同好の士”に出会えたら、革談議に花が咲くこと請け合いです。
──革談義、楽しそうですね(笑) 最後に、最近登場した製品の中で、エイジング好きの山添さんが気になっている製品はありますか。
小物でも良ければ、数量限定色「ダークレッド」が販売中の「トーンオイルヌメ アンティック文庫カバー」でしょうか。IT全盛時代だからこそ、紙の本で活字を追う「贅沢な時間」をもっと自分らしく楽しみたい感じがしてまして。
「ダークレッド」の文庫カバーなら何よりまずカラーが洒落てますし、手に取るたびワイン色に熟成していくエイジングが楽しみです。電車通勤で本を読む人の姿をめっきり見かけなくなった今だからこそ知的な印象が際立ちますし、さりげなく愛用したくなるアイテムかと思います。
今回も最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。同様の型でも革が違うことで手にする喜びが異なり、選ぶ楽しみ(嬉しい悩み)が増すところは土屋鞄ならではかもしれませんね。
ちなみに土屋鞄の各店舗では、製品や革の知識だけでなくお客さまからの相談経験も豊富なスタッフがお待ちしておりますので、製品選びで迷われた際は、お気軽に近くの店舗にお越しください。
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