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新茶をおいしく。

やわらかな緑が空に映えて、心地よい季節がやってきました。みずみずしい新芽がもたらしてくれる、この時季だけの愉しみのひとつ「新茶」。季節を感じながら、新茶をじっくりと味わってみませんか。
お茶に親しむ文化を持つ私たちだからこそ、きちんと知っておきたい「美味しいお茶の淹れ方」を教えていただきました。


教えていただいたのは、お茶の新しい愉しみや価値観を提案し続けている、櫻井焙茶研究所。
青山という賑やかな街にいることを忘れてしまいそうな、静けさと凛とした空気の店内に香ばしいお茶の香りが漂います。


日本各地のお茶が取り揃えられ、それぞれの茶葉にあわせた焙煎も店内で行われています。桜・ヨモギ・ふきのとうなど、旬の素材とあわせた独自のブレンド茶も。「五感を通じて季節を感じる、という日本独特の感覚を大切にしていきたい」というお店の思いが伝わってくるようです。


今回、美味しいお茶の淹れ方を教えてくださるのは、櫻井焙茶研究所・所長の櫻井さん。


まず準備するのは、急須・湯のみと茶葉。

今回は急須の代わりにお店で使用している宝瓶(ほうひん)を使用しています。


一度沸騰させたお湯を急須に注ぎ、急須から湯のみにお湯を移します。
こうして茶器を温め、お湯を冷まします。

新茶の場合は、75度くらいが適温とされているそうです。


急須に2人分の茶葉を入れます。約6gでティースプーン山盛り2杯が目安。

ここで、温まった急須に茶葉を入れ、いったん蓋をして茶葉を蒸らしてから蓋を開けると・・・ふわりと立ち昇る茶葉の香りに包まれます。


湯のみに移しておいたお湯を、そっと注ぎ入れ、蓋をして1分待ちます。


湯のみに交互に注いでいき、最後の一滴までしっかりと注ぎきります。

こうすることで、二煎目、三煎目まで美味しくいただくことができるそう。
一煎目で旨みを感じ、二煎目では渋み、三煎目のすっきりとした味わいで余韻を愉しんで・・・少しずつ表情を変えていくお茶の風味を存分に。


お茶は淹れたてをすぐ、いただきましょう。
「珈琲や紅茶など火を入れて作るものと異なり、お茶は蒸して作るので、生もののようなものだと思っています。握りたてのお寿司と同じように、淹れたてを味わってほしいですね」と櫻井さん。


「お茶を淹れるのは難しい、というイメージを持たれている方も多いようですが、そんなことはないんですよ。茶葉の量・お湯の量・お湯の温度・抽出時間の4つの要素でお茶の味は決まりますので、そこを意識してご自宅でも淹れてみて下さい。まずは気軽にお茶に接する機会を設けていただけたら嬉しいですね。
お茶を通じて季節を感じていただきたいので、時季によってお茶との付き合い方を変えてみるのもいいかもしれません。たとえば、新茶の季節には出たばかりの産地のものから順に味わっていくと、桜前線のように産地が南から北上していくのを体験できます。それに、お茶には身体を冷やしたり温めたりする働きもあるので、夏は体温を下げてくれる煎茶を水出しで、冬は身体を温めてくれるほうじ茶を、と季節によって選んでみるのもおすすめです。」


この季節だけの味わいをじっくりと。
心を落ち着けて、丁寧に、新茶を愉しみたいですね。


櫻井焙茶研究所
東京都港区南青山5丁目6番23号 スパイラル5階
TEL:03-6451-1539
営業時間 午前11時より午後8時まで
(茶房は平日午後11時まで営業)


季節の暮らしかた
-春-