わたしの愛する、古き良きもの
わたしの愛する、古き良きもの
永く使うことで生まれる味わい、それが“patina”(パティーナ)。
時間と記憶を共有してきた味のある愛用品を、土屋鞄スタッフがご紹介します。
永く使うことで生まれる味わい、
それが“patina”(パティーナ)。
時間と記憶を共有してきた味のある愛用品を、
土屋鞄スタッフがご紹介します。
STAFF / STAFF / MASUMI TAKAHASHI
愛用歴42年
父から受け継いだ、初めての自分のカメラ。
学生の頃からずっと愛用している、一眼レフのフィルムカメラ。もともと写真を観るのが好きだったのだが、自分でも撮りたくなって大学で写真を専攻し、そのとき父に譲ってもらった。愛用歴は父と合わせてもう42年。だけど、今もしっかり現役だ。発売当時はとても人気のあったモデルで、父は大事に使っていた。今写真を仕事にしている私にとっては初めてのカメラであり、写真人生の原点となっている。
このカメラの良いところは、「写真を撮っている実感」があることだ。フィルムカメラなので、撮影は毎回が一発勝負。1枚1枚が愛おしく、重みがある。だから1回毎のシャッターに集中し、考えて撮る習慣ができた。それは、カメラマンにとって基本であり、大事なこと。私はこのカメラで、それを学ばせてもらった気がする。仕事でデジタルカメラを使うときも、この想いは変わらない。
父から受け継いだ、初めての自分のカメラ。
学生の頃からずっと愛用している、一眼レフのフィルムカメラ。もともと写真を観るのが好きだったのだが、自分でも撮りたくなって大学で写真を専攻し、そのとき父に譲ってもらった。愛用歴は父と合わせてもう42年。だけど、今もしっかり現役だ。発売当時はとても人気のあったモデルで、父は大事に使っていた。今写真を仕事にしている私にとっては初めてのカメラであり、写真人生の原点となっている。
このカメラの良いところは、「写真を撮っている実感」があることだ。フィルムカメラなので、撮影は毎回が一発勝負。1枚1枚が愛おしく、重みがある。だから1回毎のシャッターに集中し、考えて撮る習慣ができた。それは、カメラマンにとって基本であり、大事なこと。私はこのカメラで、それを学ばせてもらった気がする。仕事でデジタルカメラを使うときも、この想いは変わらない。
味わいのある素材感や手にずしりと来る重量感、そしてメカニカルなシャッター音の心地よさ。このカメラを手にとるたび、写真を撮る楽しさと喜びを再確認できる。何より気に入っているのは、親子二代の愛用で底の角の塗装が剥げ、ところどころに真鍮の地金が見えているところだ。父と私で42年間にわたって付けてきた他にはない表情が、愛着をいっそう深めてくれている。
父はこのカメラで定期的に家族の写真を、自分の成長記録をずっと撮ってくれていた。そのカメラで私は今、「新しい家族」を撮り続けている。一番最近撮ったのは、新婚旅行。そしてこれからは、生まれたばかりの息子の時間を、父と同じように残していこうと思っている。あのころの父が、どんな気持ちで私や家族を撮ってきたのか。ファインダーを覗くと、ときどき父の眼差しが重なる気がしている。