僕とわたしの手帳。

時間の過ごし方、物事に対する考え、好きなものーー。手帳は時間を把握する道具であり、その人らしさがにじみ出る存在です。だからこそ、もっとのびのびと使えたなら。
土屋鞄が共感する暮らしを手帳とともに送る方に、お話を伺いました。

“丁寧に使いたい”と思える
ものを選んでいく



編集者の谷中龍太郎さんと待ち合わせたのは、ハンドドリップするコーヒーの香りが漂うブックカフェ。フリーランスで活動していることもあり、こうしてカフェなどで手帳とパソコンを広げ、仕事をすることも多いといいます。

ずっとファッションメディアに携わっていることもあり、ものとの出会いは多いほう。日々新しい情報が入ってきて、スケジュールもくるくる更新されます。だからここ2〜3年、カレンダーはスマホとパソコンにお任せ。手帳では管理しなくなりました。

それでも「手帳は手放せない」と、きっぱり。谷中さんにとって、手帳とはどんな存在ですか?

「人生の備忘録としてアウトプットする場所であり、脳内とリンクしている存在です。

打ち合わせで裏紙にザーッと書きなぐったものから必要なことを抜き書きしたり、アイデアをメモしたり、これから実行したいあれこれを書き連ねたり。あとは、仕事で使う言葉を実際に書いてみて、『こっちのほうが読みやすいな』って確認したり。大切なことを書き残すノートとして活用しています。

考えを可視化することで再認識することもありますし、その作業をしている自分がうれしいんですよ」

手帳をはじめ、ものを選ぶ時に大切にしていることは“丁寧に使いたい”かどうか。たくさんのものを見て、触れてきたからこそ芽生えた、独自の考えが根付いています。

たとえばその一つが、生活に根付いたものこそ純度の高いものを選ぶということ。

「人生で買えるものの数は限られています。だからこそ簡単にものを買えなくて。たとえばリフィルひとつ買うのに、文具店で20分悩むのは当たり前。悩まずにものを買えない面倒くさいタイプなんです(笑)。紙の質感、色合い、ペンの走り、インクの染み具合、裏写り・・・少しでも妥協したくない。小さなことでも引っかかるところがないか、じっくり確認します」

“丁寧に使いたい”と思えるものは大切に使える、と谷中さん。自問自答しながらたどり着いたお気に入りだからこそ、役目を終えてもボロボロになっても、簡単には捨てられないといいます。

手帳カバーを選ぶ場合は、手馴染みが良い革製品であることが必須条件。社会人になって間もなくから愛用していたものは、色が変わったりステッチが飛ぶまで使い込むほど、お気に入りだったのだとか。

「子どもの頃から革製品が好きなんです。見栄え、手馴染み、経年変化・・・なかでも職人の丁寧な仕事に惹かれます。

僕はもの持ちがとても良いほうなんですが、とくに革製品は絶対に捨てられないんです。それは、命への責任を全うしたいからかもしれません。

革は動物の肉を食べた副産物ですよね。生きものから採れた素材を、熟練の技を身につけた職人が一針一針気持ちを込めて縫いあげる。僕は買うことで、命のバトンを受け取ると考えていて。ボロボロになるまで使うことが、ちゃんと命と向き合うことにつながるように思うんです」


土屋鞄の手帳を
谷中さんに使っていただきました



愛情溢れる視点と姿勢で、ものと付き合う谷中さん。自身が40代に突入し、さらに40代に向けたファッション&ライフスタイルメディアに携わるようにもなり、ここ2〜3年で身につけるものも少しずつ変化しているそうです。

そんな谷中さんに、土屋鞄の「ブライドル バイブル手帳」を使っていただきました。メイン素材に英国の革職人が4ヶ月半かけて仕立てる「ブライドルレザー」を採用。貴族が馬具に使用していた革素材で、表面に浮き出る白いロウの粉が特徴です。使うほどロウが馴染み、艶を放ちます。

「ベルトを使っていることもあって『ブライドルレザー』は見知った革素材。この手帳は手に取った時から上質な革素材を使って、丁寧に仕立てられていることが伝わってきました。使い始めてひと月くらい経つけれど、まだまだピカピカ。僕仕様に味が出るには10年くらいかかるかもしれません。でも、育ててみたくなるし、長い年月を共にできそう」

リフィルにもこだわりのある谷中さんですが、「インクの吸い込みもペンの走りも心地良いです」と太鼓判。10年ほど愛用している「モンブラン」のボールペンとも「カヴェコ」の万年筆とも、相性が良いそうです。

「そもそもランドセルから始まったメーカーが手がけている時点で、ものに対する安心感や信頼感が違いますね。だって、ヤンチャな子どもたちが6年間使い続けるものづくりがベースにあるんですから。そういう意味でも、長くお付き合いできる予感がします」

身の回りにあるものは、歩んできた人生を表現する存在でもある。日々持ち歩くからこそ手帳には、より色濃くその人らしさが表れるのかもしれません。




谷中龍太郎さん
編集者。栃木県出身。高校時代から手帳を使い始める。社会人になり、好きだった革製品を自由に買えるようになり、手帳カバーも革のものに。現在はWEBメディア『FORZA』シニアエディター。


ブライドル 
バイブル手帳
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