わたしの愛する、古き良きもの
わたしの愛する、古き良きもの
永く使うことで生まれる味わい、それが“patina”(パティーナ)。
時間と記憶を共有してきた味のある愛用品を、土屋鞄スタッフがご紹介します。
永く使うことで生まれる味わい、
それが“patina”(パティーナ)。
時間と記憶を共有してきた味のある愛用品を、
土屋鞄スタッフがご紹介します。
STAFF / ERIKO FUJII
愛用歴 10年
三代に受け継がれてきた、小さな虹の石。
「大人になった記念に」と、20歳の時に母から贈られた小さなオパールのピアス。淡い虹が浮かぶ可憐な石が18KGの台座に収まる上品な雰囲気を、私はひと目で気に入った。毎日のように着けているのは、お気に入りであるのと同時に“アミュレット(お守り)”のような存在でもあるから。着けていると、なんとなく良いことがある気がしてくる。時折手にとって、オーロラのようなゆらめきを眺めるのも、ひそかな楽しみだったりする。
このオパールはもともと母の指輪で、4つの石が四つ葉のクローバーのようにデザインされたもの。それを母が知り合いの宝石職人にお願いして、2組のピアスに生まれ変わらせた。もう1組は3年後に妹に贈られ、お揃いになっている。今は離れているけれど、母の想いで一つにつながっているように思える、特別なアイテムだ。
三代に受け継がれてきた、小さな虹の石。
「大人になった記念に」と、20歳の時に母から贈られた小さなオパールのピアス。淡い虹が浮かぶ可憐な石が18KGの台座に収まる上品な雰囲気を、私はひと目で気に入った。毎日のように着けているのは、お気に入りであるのと同時に“アミュレット(お守り)”のような存在でもあるから。着けていると、なんとなく良いことがある気がしてくる。時折手にとって、オーロラのようなゆらめきを眺めるのも、ひそかな楽しみだったりする。
このオパールはもともと母の指輪で、4つの石が四つ葉のクローバーのようにデザインされたもの。それを母が知り合いの宝石職人にお願いして、2組のピアスに生まれ変わらせた。もう1組は3年後に妹に贈られ、お揃いになっている。今は離れているけれど、母の想いで一つにつながっているように思える、特別なアイテムだ。
ちなみに元の指輪は、父方の祖父が祖母に贈ったのがなれ初めという。その祖母は父が結婚する時、新たに娘となる母に大事な指輪を贈ったのだそう。その思いを嬉しく思った母は、入学式などの家族の記念日に、大事に着けていた。そうして家族の幸せを見つめてきたオパールの四つ葉は、ピアスに生まれ変わって、今は私と妹のそばにいる。祖母から数えて70年以上の歳月を、このオパールは家族と過ごしてきたことになる。
祖母に、母に、そして私たち姉妹に。このピアスの小さな石は三代にわたって、家族のあたたかな思いを受け継いできた。そんな由来があるから、見守られているような安心感があるのかもしれない。いつか私も、娘や息子のお嫁さんに贈る時が来るだろうか。そんなことを思いながら、これからも大切に着けていようと思う。