わたしの愛する、古き良きもの
Patina 両親の思いに包まれる、あたたかなコート。
わたしの愛する、古き良きもの
永く使うことで生まれる味わい、それが“patina”(パティーナ)。
時間と記憶を共有してきた味のある愛用品を、土屋鞄スタッフがご紹介します。
永く使うことで生まれる味わい、
それが“patina”(パティーナ)。
時間と記憶を共有してきた味のある愛用品を、
土屋鞄スタッフがご紹介します。
STAFF / KAHO HAKODA
愛用歴 30年
両親の思いに包まれる、ウールのコート。
母から譲り受けた、冬物のコート。母が私を妊娠したとき、喜んだ父が母とデパートに行って、プレゼントしたものだ。当時の父の給料にしては高い買い物だったそうだけど、母の誕生日も近かったということで、思い切って購入したのだとか。「それまで着ていた服とは違ったから、このコートを見た友人に『本当にお母さんになるのね』と言われてね」と、母がうれしそうに話してくれたのをよく覚えている。
私が譲り受けたのは、大学生の頃。普段からよく服をシェアしているので、「ねえ、このコート、着てみる?」とフランクに渡された。少し経ってから「そのコート、実はね……」と、二人のエピソードを聞かされて。生まれる前からそんなに祝福してもらえていたことを知って、体の芯から温かい気持ちになった。夏の間も、クローゼットにあることを思い出すだけでホッとする、お守りのような存在になっている。
両親の思いに包まれる、温かなコート。
母から譲り受けた、冬物のコート。私を妊娠したとき、喜んだ父が母とデパートに行って、プレゼントしたものだという。当時の父の給料にしては高い買い物だったそうだけど、母の誕生日も近かったということで、思い切って購入したのだとか。「それまで着ていた服とは違ったから、このコートを見た友人に『本当にお母さんになるのね』と言われてね」と、母がうれしそうに話してくれたのをよく覚えている。
私が譲り受けたのは、大学生の頃。普段からよく服をシェアしているので、「ねえ、このコート、着てみる?」と気さくに渡された。少し経ってから「そのコート、実はね……」と、二人のエピソードを聞かされて。生まれる前からそんなに祝福してもらえていたことを知って、体の芯から温かい気持ちになった。夏の間も、クローゼットにあることを思い出すだけでほっとする、お守りのような存在になっている。
厚手ではないけれど、中にニットを着る余裕があるので、真冬でも愛用している。それに、羽織っていると両親の優しさに包まれているみたいで。なんだかとても、安心感がある。だから、「ちょっと疲れてるかな」とか「ゆったり過ごしたいな」という日に出すことが多いかも。ころっとしたクルミボタンも、見るたび愛らしく感じられて。母はどんなふうに着ていたのかしらと、コーデを考えながら想像したりしている。
このコートには、私が生まれる前からの父と母の思いが染み込んでいて、その「愛された記憶」が、今でも私を支えてくれている。一度、肩の部分が破けてしまったこともあったけど、自分で縫い合わせて大切に使っているのは、そんなかけがえのない一着だから。これからもずっと大事に着たいし、似合う自分でいたい。10年後も、20年後も……そのとき私はこのコートと、どんな装いを楽しんでいるだろうか。
CORDIER ウールコート(ワールド)
※今回掲載した商品は、現在取り扱いがございません。