2024.7.12
多文化背景から生まれる
独自の美学
日本の丁寧を世界へ Vol.2
人とものと時間を大切にする、日本の「丁寧」を世界へ──。海外の愛用者たちはどのようにして土屋鞄のアイテムと出会い、どのような時間を過ごしているのでしょうか。インタビューから、愛用者たちのライフスタイルへのこだわりが見えてきました。
CREATIVITY
確立したスタイルが放つ輝き
日本の丁寧を世界へ vol.1
2024.6.25
人とものと時間を大切にする、日本の「丁寧」を世界へ──。海外の愛用者たちはどのようにして土屋鞄のアイテムと出会い、どのような時間を過ごしているのでしょうか。インタビューから、愛用者たちのライフスタイルへのこだわりが見えてきました。
こちらの連載は、現地の人が取材して記事にしました(のような書き手がわかるテキスト追加)
PROFILE
ダリオ・ソラーリ Dário Solari
書店「Untitled」オーナー
ダウンタウン・ロサンゼルスの北西に位置するエコー・パーク。素敵なカフェやナチュラルワインバーが軒を連ねる街並みに静かに溶け込むように佇んでいるのは、今まで見たことのないような素晴らしい書店、「Untitled」です。ダリオ・ソラーリさんが10年前に始めたこの書店は、当初はネット販売のみでしたが(以前は「Kanimambo Books」、「StudioXol」として知られていました)、実店舗を構えた今では人々が集まり、カフェやガーデンでくつろぎながら本を購入できる場所にまで成長しました。彼らはインスピレーションを求める時に、この店を訪れるようです。
長年書籍の販売に携わってきたダリオさんのセレクトする本は芸術に関わるものが多く、実に多種多様な刺激を与えてくれます。詩やアートブック、写真集、新書、古書、日本のどこかの埃っぽい古本屋さんで仕入れた本、その他視野を広げてくれるようなさまざまな書籍。コレクターでも、ふらりと立ち寄った買い物客でも、必ず何かと出会えるような品揃いです。きっとこの店に訪れる誰もが、新たな発見とインスピレーションを得られることでしょう。
国際的な生い立ち
25年間ロサンゼルスで暮らしてきたダリオさんですが、彼の美学的、そして文化的なセンスに大きく影響したのは、モザンビーク、南アフリカ共和国、ポルトガル、アメリカ東海岸、そしてカルフォルニアと、さまざまな環境で育った彼の子ども時代です。国連に勤めていた両親の仕事の関係で幼少期から国境を超えて生きてきた彼のさまざまな場所での生活や旅は、彼の視覚的な記憶にしっかりと刻まれ、今の彼の生き方や、芸術に対するアプローチに影響を与えています。
また、アーティストでもある彼にとって大きな存在だったのは、ティーンの頃に憧れた西海岸のサーフカルチャー、スケボーカルチャーでした。建築を専攻し、写真家兼アーティストになった今も新たなインスピレーションを求めて探究を続けるダリオさんが、書籍という視覚的な媒体に惹かれるのは不思議ではありません。
「長い間ネット販売のみだった事業を実店舗展開したきっかけは、コミュニティに飢えていたことだった」と言うダリオさんの運営するUntitledは、まさに人々が集まる空間として機能しています。こういった人間同士のやりとりには、「アルゴリズムには成し遂げられないある種の魔法が働く」と彼は言います。また植物好きな彼にとって、お店は、植物を満喫できる場所でもあります。Untitledの店内は植物が溢れ、つい長居したくなる空間です。ダリオさんの10歳の娘・スカイさんは、「本が嫌い」だと主張していますが、彼女もまた、間違いなくこの店やコミュニティの大切な一部です。
さまざまな機能を持つこの空間を運営し、事業主でもあり、また父親でもあるダリオさんは備えの達人です。彼が持つ「ディアリオ ラージトート」には一日を通して必要なものが全て入っています──ラップトップ、おやつ、水筒、着替えなど、実にありとあらゆるものが。彼が「シックなスケボースタイル」と呼んでいる(例えばウールのパンツ、スケーターTシャツ、オックスフォードシューズなど)、彼好みのスタイルにぴったり合うのだと言います。仕事はもちろん、娘のスカイさんとビーチに行く時など、プライベートでも活躍するアイテムです。
ご使用いただいた方
勝山 龍一
フリープランナー
服飾専門学校を卒業後、「衣食住美」を展開する会社でファッションやインテリアのPRなどを勤めた後、2021年よりフリーランスに。キャンプ場の運営やPRを経て、現在はファニチャーブランドやライフスタイルブランドのPR&商品ディレクションなど幅広いシーンに携わるフリープランナーとして活動。プライベートでは、キャンプを中心とした外遊び、車・バイク・自転車などの車輪のついた乗り物、餃子の食べ歩きを楽しんでいる。
Photo|Kousuke Matsuki
Text|Kunihiko Kaneko
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