さまざまな分野で活躍する人たちが日常や仕事を通して、考えていること、大事にしていること。それからライフスタイルを語るときに欠かせない鞄についても。気になるあれこれをインタビュー。
第1回はモデル、女優としてだけでなく、フリーマガジンやZINEを制作するなど、クリエイティブな活動にもファンの多い山本奈衣瑠さん。地元付近で愛着のある赤羽を散策しながら、話を伺いました。
Vol.01/山本 奈衣瑠
BAG AND
LIFESTYLE 土屋鞄と日常
さまざまな分野で活躍する人たちが日常や仕事を通して、考えていること、大事にしていること。それからライフスタイルを語るときに欠かせない鞄についても。気になるあれこれをインタビュー。
第1回はモデル、女優としてだけでなく、フリーマガジンやZINEを制作するなど、クリエイティブな活動にもファンの多い山本奈衣瑠さん。地元付近で愛着のある赤羽を散策しながら、話を伺いました。
BAG AND
LIFESTYLE 土屋鞄と日常
Vol.01/山本 奈衣瑠
さまざまな分野で活躍する人たちが日常や仕事を通して、考えていること、大事にしていること。それからライフスタイルを語るときに欠かせない鞄についても。気になるあれこれをインタビュー。
第1回はモデル、女優としてだけでなく、フリーマガジンやZINEを制作するなど、クリエイティブな活動にもファンの多い山本奈衣瑠さん。地元付近で愛着のある赤羽を散策しながら、話を伺いました。
自分の好きなことが自分を救ってくれた
自分の好きなことが自分を救ってくれた
モデルとしてはもちろん、フリーマガジンの編集長を務めたり、女優としても出演作が増えてきてマルチに活躍されています。
そんなマルチというほどではないですよ。仕事としてはモデルと役者がメインで、マガジンやZINEづくりは、個人的なものというイメージです。今日は皆さんへのプレゼントでZINEを持ってきました! 写真の撮影から編集から、一人で全部やってみたくて、レイアウト作業、紙選びなどキンコーズに8回も通いました。“初めてつくりました感”がめちゃくちゃ出ていますが、いろいろな発見があってやってよかったです。
絵画のような風景やオブジェを切り取ったような写真が多いですね。コンセプチュアルな印象です。
美術がすごく好きで、街中にあるもので自分が「アート作品」だと感じたものをいつもメモするようにアイフォンで撮影しています。本来ある性質と違う役割を持った瞬間にアートがあると思うんです。例えば椅子だけど、椅子に見えない。そんなとき「これは彫刻じゃないか?」と、一人でテンションが上がっているんですよ!自分的には風景写真というより作品に近い感覚だから『Untitled Creations.』。“名前のない作品たち”というタイトルにしました。
モデルとしてはもちろん、フリーマガジンの編集長を務めたり、女優としても出演作が増えてきてマルチに活躍されています。
そんなマルチというほどではないですよ。仕事としてはモデルと役者がメインで、マガジンやZINEづくりは、個人的なものというイメージです。今日は皆さんへのプレゼントでZINEを持ってきました! 写真の撮影から編集から、一人で全部やってみたくて、レイアウト作業、紙選びなどキンコーズに8回も通いました。“初めてつくりました感”がめちゃくちゃ出ていますが、いろいろな発見があってやってよかったです。
絵画のような風景やオブジェを切り取ったような写真が多いですね。コンセプチュアルな印象です。
美術がすごく好きで、街中にあるもので自分が「アート作品」だと感じたものをいつもメモするようにアイフォンで撮影しています。本来ある性質と違う役割を持った瞬間にアートがあると思うんです。例えば椅子だけど、椅子に見えない。そんなとき「これは彫刻じゃないか?」と、一人でテンションが上がっているんですよ!自分的には風景写真というより作品に近い感覚だから『Untitled Creations.』。“名前のない作品たち”というタイトルにしました。
女優として活動するようになったのは、何かきっかけがあったのでしょうか?
モデルを始めてもう10年になりますが、もっといろんな可能性があるのではと考えて4年前にフリーになったんです。それで『EA magazine』をつくったり、どんどん楽しいことが増えて、自分の中で “何でもやってみようキャンペーン”をしてみました。それまではおっくうに感じていたような集まりに行ってみると、意外に良かったり、出会いがあったり。そういう成功体験に動かされて、お芝居のワークショップに参加したのがきっかけです。そこで今のマネージャーさんと出会い「事務所を立ち上げるから一緒にやりませんか?」と声をかけられて。すごく素敵な方だったので、女優をやってみようと思いました。
何でもやってみようという、前向きな気持ちはどこから生まれてくるんでしょう。
モデルの仕事を続けていると、一度ご一緒した方と時間が経ってまたお会いすることがけっこうあるんです。最初は規模が小さくても、3年後にすごく大きなオーディションに呼んでくださるとか。相手が自分を覚えてくれているように、自分も相手を覚えている。将来につながる関係が、毎日どこかで生まれているんだと感じたら、やってみないことには何も始まらないと思うようになりました。今回のZINEも悩んでいましたが、つくってみたらそれがまた自分を違うところに連れていってくれるわけじゃないですか。
女優として活動するようになったのは、何かきっかけがあったのでしょうか?
モデルを始めてもう10年になりますが、もっといろんな可能性があるのではと考えて4年前にフリーになったんです。それで『EA magazine』をつくったり、どんどん楽しいことが増えて、自分の中で “何でもやってみようキャンペーン”をしてみました。それまではおっくうに感じていたような集まりに行ってみると、意外に良かったり、出会いがあったり。そういう成功体験に動かされて、お芝居のワークショップに参加したのがきっかけです。そこで今のマネージャーさんと出会い「事務所を立ち上げるから一緒にやりませんか?」と声をかけられて。すごく素敵な方だったので、女優をやってみようと思いました。
何でもやってみようという、前向きな気持ちはどこから生まれてくるんでしょう。
モデルの仕事を続けていると、一度ご一緒した方と時間が経ってまたお会いすることがけっこうあるんです。最初は規模が小さくても、3年後にすごく大きなオーディションに呼んでくださるとか。相手が自分を覚えてくれているように、自分も相手を覚えている。将来につながる関係が、毎日どこかで生まれているんだと感じたら、やってみないことには何も始まらないと思うようになりました。今回のZINEも悩んでいましたが、つくってみたらそれがまた自分を違うところに連れていってくれるわけじゃないですか。
スランプやネガティブな気持ちになることはないですか?華やかに見えて、競争の激しい世界でもあります。
20代の前半に自分にもそんな時間がありました。まわりの人と比べてしまったり、仕事の先行きに不安を抱いたり。当時はインスタの全盛期で、ファッションやメイクを上げるのがよしとされていましたが、自分はそれができないタイプでした。あるとき「もう自分の好きなものだけアップしよう」と決めたら、数は少ないけれど濃いファンがついてくるようになって。自分のコアな部分を好きな人がいてくれるのは、すごくうれしいことでした。
スランプやネガティブな気持ちになることはないですか?華やかに見えて、競争の激しい世界でもあります。
20代の前半に自分にもそんな時間がありました。まわりの人と比べてしまったり、仕事の先行きに不安を抱いたり。当時はインスタの全盛期で、ファッションやメイクを上げるのがよしとされていましたが、自分はそれができないタイプでした。あるとき「もう自分の好きなものだけアップしよう」と決めたら、数は少ないけれど濃いファンがついてくるようになって。自分のコアな部分を好きな人がいてくれるのは、すごくうれしいことでした。
自分の内面を見つめ直したんですね。
自分の好きなものがアートや建築、そして言語化できない感覚だということもわかってきました。そして外見ではなくて、自分の中身や個性が自分を助けているんだと理解して、それから悩まなくなりました。日常には自分の好きなものがあふれているから、読みたい本も、行きたい美術館も、調べたいこともたくさんあって、今は悩んでいる暇なんてないです。
わかります。1日が24時間では足りない。それでアクティブな奈衣瑠さんになった。
結局、自分が健康でないと仕事もほかのこともうまくいかないんですよね。生活や心を豊かにすることが人生のメインで、その上に日常があって仕事があると。やりたいことは、自分の中にあるので、今は自分を研究しています。自分を知るために、他人や社会が必要なんだとも思います。
自分の内面を見つめ直したんですね。
自分の好きなものがアートや建築、そして言語化できない感覚だということもわかってきました。そして外見ではなくて、自分の中身や個性が自分を助けているんだと理解して、それから悩まなくなりました。日常には自分の好きなものがあふれているから、読みたい本も、行きたい美術館も、調べたいこともたくさんあって、今は悩んでいる暇なんてないです。
わかります。1日が24時間では足りない。それでアクティブな奈衣瑠さんになった。
結局、自分が健康でないと仕事もほかのこともうまくいかないんですよね。生活や心を豊かにすることが人生のメインで、その上に日常があって仕事があると。やりたいことは、自分の中にあるので、今は自分を研究しています。自分を知るために、他人や社会が必要なんだとも思います。
気持ちを引き締めてくれるレザーバッグ
気持ちを引き締めてくれるレザーバッグ
ものを選ぶときに、何か基準はありますか?テイストだったりテクスチャーだったり、共通項があれば教えてください。
実は家を出る前にコーディネートを考えるのが苦手です。なぜか自分の中で上半身と下半身の意見が割れるんですよ。どちらかが妥協すればいいのですが、そういうことにはならず、「全然合わないじゃないの!」と。おしゃれは好きだけど、ちょっと複雑な性格なんです。だからスタンダードなものがすごく好きです。
何にでも合って、コーディネートしやすいもの。
そうですね。自分の心が落ち着くんです。自分が安心して確実に大丈夫と思える色と素材だけは把握していて、スタンダードなものをいくつかそろえています。たとえばデニムにTシャツのようなもの。土屋鞄のこのレザーバッグもそうです。ベーシックなものは自分の心が葛藤せずに済むので、とても大事です。
ものを選ぶときに、何か基準はありますか?テイストだったりテクスチャーだったり、共通項があれば教えてください。
実は家を出る前にコーディネートを考えるのが苦手です。なぜか自分の中で上半身と下半身の意見が割れるんですよ。どちらかが妥協すればいいのですが、そういうことにはならず、「全然合わないじゃないの!」と。おしゃれは好きだけど、ちょっと複雑な性格なんです。だからスタンダードなものがすごく好きです。
何にでも合って、コーディネートしやすいもの。
そうですね。自分の心が落ち着くんです。自分が安心して確実に大丈夫と思える色と素材だけは把握していて、スタンダードなものをいくつかそろえています。たとえばデニムにTシャツのようなもの。土屋鞄のこのレザーバッグもそうです。ベーシックなものは自分の心が葛藤せずに済むので、とても大事です。
今日も白シャツやスウェットなど、ベーシックでスタンダードなものの組み合わせですね。
スウェットはZINEのマーチャンダイズで、自分でデザインしたものです。プリーツスカートをはいているのは珍しいんですが、これはグレーだからスタンダードのカテゴリー。襟がついた服やレザーバッグは、きちんと見えるところも好きです。
でもソックスで赤い色を差したり、足元はアディダスのサンバというあたりが奈衣瑠さんらしいですね。
以前だったらこのコーディネートに布のトートバッグで良かったけれど、30代に入ったことで少し変わりました。古着のTシャツを着てデニムをはいて、トートバッグを持つのも好きだけど、それをこのレザーバッグに替えるだけでとても大人っぽくなります。20代前半にこういうきれいなバッグを持つと不釣り合いな気がしていましたが、今は年相応に楽しめるようになりました。
今日も白シャツやスウェットなど、ベーシックでスタンダードなものの組み合わせですね。
スウェットはZINEのマーチャンダイズで、自分でデザインしたものです。プリーツスカートをはいているのは珍しいんですが、これはグレーだからスタンダードのカテゴリー。襟がついた服やレザーバッグは、きちんと見えるところも好きです。
でもソックスで赤い色を差したり、足元はアディダスのサンバというあたりが奈衣瑠さんらしいですね。
以前だったらこのコーディネートに布のトートバッグで良かったけれど、30代に入ったことで少し変わりました。古着のTシャツを着てデニムをはいて、トートバッグを持つのも好きだけど、それをこのレザーバッグに替えるだけでとても大人っぽくなります。20代前半にこういうきれいなバッグを持つと不釣り合いな気がしていましたが、今は年相応に楽しめるようになりました。
外出するときに荷物は少ないほうですか?
ポケットに入るぐらいのものしか持ち歩かないから、ずっと手ぶら派でした。荷物があるときは肩掛けしたり背負ったり、カジュアルなバッグばかりで、いわゆるハンドバッグを持ったことがなかったんです。だからレザーバッグを持って、久しぶりに友だちに会ったら「どうして急におしゃれをしているの?」と言われたりしました。
外出するときに荷物は少ないほうですか?
ポケットに入るぐらいのものしか持ち歩かないから、ずっと手ぶら派でした。荷物があるときは肩掛けしたり背負ったり、カジュアルなバッグばかりで、いわゆるハンドバッグを持ったことがなかったんです。だからレザーバッグを持って、久しぶりに友だちに会ったら「どうして急におしゃれをしているの?」と言われたりしました。
好きなものを長く使うタイプですよね。
持っているものは大切にします。つい同じものばかり使ってしまう性格だから、愛用のトートバッグはほつれたり穴が開いたりしたら繕って、使い続けています。きれいに縫うのではなく、あえて色糸を使ってカスタムを楽しんでいます。
土屋鞄のレザーバッグは経年変化も楽しめます。
そうですね。今まで自分の気持ちをキュッと引き締めるようなものを持っていなかったので、レザーのバッグはその最初のアイテムかもしれません。持つと気分も上がるし、きちんとしたいときに活躍してくれそうです。
好きなものを長く使うタイプですよね。
持っているものは大切にします。つい同じものばかり使ってしまう性格だから、愛用のトートバッグはほつれたり穴が開いたりしたら繕って、使い続けています。きれいに縫うのではなく、あえて色糸を使ってカスタムを楽しんでいます。
土屋鞄のレザーバッグは経年変化も楽しめます。
そうですね。今まで自分の気持ちをキュッと引き締めるようなものを持っていなかったので、レザーのバッグはその最初のアイテムかもしれません。持つと気分も上がるし、きちんとしたいときに活躍してくれそうです。
Photo | Yuta Okuyama (Ye)
Text | Hisami Kotakemori
Photo | Yuta Okuyama (Ye)
Text | Hisami Kotakemori