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Vol.07/江口 大介

BAG AND
LIFESTYLE
土屋鞄と日常

さまざまな分野で活躍する人たちが日常や仕事を通して、考えていること、大事にしていること。それからライフスタイルを語るときに欠かせない鞄についても。気になるあれこれをインタビュー。第7回はヴィンテージ時計の分野で脚光を浴びる江口時計店・江口洋品店CEOの江口大介さん。バイヤーと職人の気質を合わせ持ち、ヴィンテージ時計の世界に新しい価値観を提案する江口さんに、渋谷・松濤の店舗「ECW SHOTO」で話を伺いました。

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土屋鞄と日常

Vol.07/江口 大介

さまざまな分野で活躍する人たちが日常や仕事を通して、考えていること、大事にしていること。それからライフスタイルを語るときに欠かせない鞄についても。気になるあれこれをインタビュー。第2回はスタイリストの井藤成一さん。洋装だけでなく和装のスタイリングも手がけ、現在は地元・山口県にセレクトショップも出店しています。土屋鞄 日本橋店にリサーチで来店した井藤さんに話をうかがいました。

さまざまな分野で活躍する人たちが日常や仕事を通して、考えていること、大事にしていること。それからライフスタイルを語るときに欠かせない鞄についても。気になるあれこれをインタビュー。第7回はヴィンテージ時計の分野で脚光を浴びる江口時計店・江口洋品店CEOの江口大介さん。バイヤーと職人の気質を合わせ持ち、ヴィンテージ時計の世界に新しい価値観を提案する江口さんに、渋谷・松濤の店舗「ECW SHOTO」で話を伺いました。

江口 大介

江口洋品店・江口時計店 CEO

1980年生まれ、東京都出身。中学生の頃、ファッションに目覚めて古着を買い始める。20歳でシルバージュエリーの職人を志すが、転職をきっかけに古着のインターネット販売をスタート。23歳の時に古着分野で起業して、30代になると時計に関心を抱き、ヴィンテージ時計に没入。2016年に時計の修理工房を併設した江口洋品店・江口時計店を吉祥寺にオープン。2024年2月に「ECW SHOTO」として松濤に移転。

江口 大介

江口洋品店・江口時計店 CEO

1980年生まれ、東京都出身。中学生の頃、ファッションに目覚めて古着を買い始める。20歳でシルバージュエリーの職人を志すが、転職をきっかけに古着のインターネット販売をスタート。23歳の時に古着分野で起業して、30代になると時計に関心を抱き、ヴィンテージ時計に没入。2016年に時計の修理工房を併設した江口洋品店・江口時計店を吉祥寺にオープン。2024年2月に「ECW SHOTO」として松濤に移転。

入荷通知受付中
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STORY.01

受け継がれていく時計を
100%再生したい

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STORY.02

ものを選ぶときに大事なのは本質を見ること

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ABOUT ITEM

ミディアムブラウン
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ミディアムブラウン
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受け継がれていく時計を
100%再生したい

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ものを選ぶときに大事なのは
本質を見ること

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ミディアムブラウン
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受け継がれていく時計を100%再生したい

受け継がれていく時計を100%再生したい

古着のバイヤーだった江口さんが、ヴィンテージ時計に魅せられたきっかけは何ですか?

若い頃から古着を売ることを生業にして、ずっとファッションに携わっていたので、30代に入ると当然のように「格好良い大人のスタイル」に興味を持つようになりました。時計はある種、大人の男を象徴するアイテムです。古着のビジネスを10年以上続けて、古着だけでは面白くないなと思い始めた頃でもありました。

それでヴィンテージ時計の世界に?ただ、古着とヴィンテージ時計では買い付けのルートや販売方法などもまったく違うと思います。

そうなんです。実は僕の父親は車の修理工場をやっていまして、ヨーロッパ車が専門でした。子どもの頃から古い車をきれいに直す作業を見ていたんですよね。だから古いものを直して売るということに、どこか憧れがありました。改めてヴィンテージ時計を見直すと、買ってすぐに売れるものではなく、機械を直したり、整備して販売しないといけないじゃないですか?

古着とはまったく違いますよね。もしや、時計の学校にも通われたんですか?

いえ。20歳から2年ほどシルバー職人をしていたので腕には自信があって、時計なら自分でも修理ができるんじゃないかと、時計を分解しては自分なりに直してみたんです。でも全然ダメでした。動いた時計は1本もなかった。時計の専門学校がある意味がよくわかりました。ただ自分がやりたいことは、僕が良いと思った時計をきちんと直して売るということでした。そのためには直す技術よりも、仕入れることが大事なので、時計の仕入れ先の開拓に本腰を入れました。それが2012年ごろのことです。

今のようなヴィンテージ時計ブームが来る前です。古着のネット販売もそうですが、江口さんには先見の明がありますね。

ヴィンテージ時計そのものの流通はそれこそ1980年代からあったと思います。ただそれは古着と同じで、新品だと高くて買えない40万円のロレックスが、中古だと10万円で買えるというような代替的な存在でした。時計は資産価値がある分、古着のように簡単に市場には出てこないんですよね。時計を集めるためにコレクターや専門のマーケットなどを訪ねて、世界中を旅しました。

中古だから安いという価値ではなく、江口さんはそれまでヴィンテージ時計の世界ではあまり重視されていなかったカルティエのようなドレスウォッチにも価値を見出して、新たなヴィンテージ時計の魅力を伝えています。

時計は洋服や車と同じように、スタイルがあるものです。自分の感性を表す一つのツールとしても重要視されてきました。スマートフォンやスマートウォッチの登場で、時計の存在意義は変化していますが、今の時計ブームの真髄は手づくりのものを長く使うというところにあります。現代の効率重視とは違って、職人の手仕事によって生み出された時計は、きちんと整備すれば時代を超えて次世代に渡していけます。

そこにのめり込んだわけですね。修理や整備のことは技術者に任せていらっしゃるということですが、江口さんは今は時計を解体して何をされているんですか?

僕が扱っている時計のほとんどは100年以上の歴史があるメーカーばかりです。それぞれのメーカーには独特のデザインや技術があって、時代に沿ってディテールは変化してきました。受け継がれてきた時計をきちんとメンテナンスするためには、そういった時代考証的なことが分かる人間が必要です。時計では文字盤が特に重要で、修理によってオリジナルのロゴが書き換えられていたりすることがよくあります。あるいは開けてみたら修理が雑でねじ山がつぶれているとか。そういう細かいことをチェックしています。

ヴィンテージ時計を体系化した参考書のようなものは、あるんでしょうか? ヴィンテージデニムなどは90年代にブームがピークを迎え、2000年代に本やムックが出てきましたが…。

時計に関してはまだありませんね。古着と同じで1日に1000本とか、相当な数の時計を見続けると、個体の年代やその時代の特徴が分かるようになってくるんです。指南書がないので、経験を積み重ねて知識を蓄えています。

仕事のやりがいはどんなところにありますか。

僕は誰かが大事な人から受け継いだ時計が止まってしまって、そのまま使えなくなることが残念で仕方がない。若い方が年代ものの時計を修理してほしいと来店することも多く、その時計を見るとストーリーが連想できるんですよね。だからどんな時計でも100%再生したいと頑張っている。そういったものを長く使い続けるために技術を継承したり、古い時計をみんなが良いと思えるような環境づくりをすることに魅力を感じるんです。

ものを選ぶときに大事なのは本質を見ること

江口さんは最近、土屋鞄の「ディアリオ ラージ トート」を愛用されているそうですね。

土屋鞄はシンプルで耐久性があって、いい意味で決まりすぎていないところが良いんですよね。今まで10年以上前に買った土屋鞄のビジネストートを愛用していました。最近、時計を持ってお客さまのご自宅などへ商談に伺うことが増えて、仕事道具をまとめたバッグ・イン・バッグや、時計のケースが入る少し大きめのバッグが必要になったんです。主張の強いバッグよりもシンプルで耐久性のあるものが好きだから、ビジネストートに近いこのバッグを選びました。大きさの割に軽いところも気に入っています。

時計は毎日のコーディネートに合わせているということですが、今日の時計は何ですか?バッグとの相性も考えるのでしょうか。

今日はIWCの1958年の時計を着けています。土屋鞄のバッグは日常的に気張らず使えるのが魅力だと思うので、時計も僕の中では「ガシガシ普段遣いできる」1本にしました。


バッグや時計をコーディネートする際、マイ・ルールはありますか。

時計とアクセサリーや眼鏡の色は合わせるようにしています。今日はシルバーの時計だから、眼鏡もアクセサリーもシルバーです。レザーバッグはこのトートに限らず黒が多いので、靴やベルトなど革小物も黒が多いですね。プライベートではここまでまとめすぎることはせず、例えば靴をスニーカーにするとか、抜け感を入れるようにしています。

江口さんがものを選ぶときに大事にしていることは何でしょうか。

美しいかどうかですね。それから好きかどうか。僕は店で自分が好きな時計を売っています。高いとかブランドとか関係なく、自分の美観で選んできました。だからどんな時計でも好きで使っている人は格好良いし、リスペクトできる。何かを選ぶときは、本質を見極めるということが大事です。

古着のバイヤーだった江口さんが、ヴィンテージ時計に魅せられたきっかけは何ですか?

若い頃から古着を売ることを生業にして、ずっとファッションに携わっていたので、30代に入ると当然のように「格好良い大人のスタイル」に興味を持つようになりました。時計はある種、大人の男を象徴するアイテムです。古着のビジネスを10年以上続けて、古着だけでは面白くないなと思い始めた頃でもありました。

それでヴィンテージ時計の世界に?ただ、古着とヴィンテージ時計では買い付けのルートや販売方法などもまったく違うと思います。

そうなんです。実は僕の父親は車の修理工場をやっていまして、ヨーロッパ車が専門でした。子どもの頃から古い車をきれいに直す作業を見ていたんですよね。だから古いものを直して売るということに、どこか憧れがありました。改めてヴィンテージ時計を見直すと、買ってすぐに売れるものではなく、機械を直したり、整備して販売しないといけないじゃないですか?

古着とはまったく違いますよね。もしや、時計の学校にも通われたんですか?

いえ。20歳から2年ほどシルバー職人をしていたので腕には自信があって、時計なら自分でも修理ができるんじゃないかと、時計を分解しては自分なりに直してみたんです。でも全然ダメでした。動いた時計は1本もなかった。時計の専門学校がある意味がよくわかりました。ただ自分がやりたいことは、僕が良いと思った時計をきちんと直して売るということでした。そのためには直す技術よりも、仕入れることが大事なので、時計の仕入れ先の開拓に本腰を入れました。それが2012年ごろのことです。

今のようなヴィンテージ時計ブームが来る前です。古着のネット販売もそうですが、江口さんには先見の明がありますね。

ヴィンテージ時計そのものの流通はそれこそ1980年代からあったと思います。ただそれは古着と同じで、新品だと高くて買えない40万円のロレックスが、中古だと10万円で買えるというような代替的な存在でした。時計は資産価値がある分、古着のように簡単に市場には出てこないんですよね。時計を集めるためにコレクターや専門のマーケットなどを訪ねて、世界中を旅しました。

中古だから安いという価値ではなく、江口さんはそれまでヴィンテージ時計の世界ではあまり重視されていなかったカルティエのようなドレスウォッチにも価値を見出して、新たなヴィンテージ時計の魅力を伝えています。

時計は洋服や車と同じように、スタイルがあるものです。自分の感性を表す一つのツールとしても重要視されてきました。スマートフォンやスマートウォッチの登場で、時計の存在意義は変化していますが、今の時計ブームの真髄は手づくりのものを長く使うというところにあります。現代の効率重視とは違って、職人の手仕事によって生み出された時計は、きちんと整備すれば時代を超えて次世代に渡していけます。

そこにのめり込んだわけですね。修理や整備のことは技術者に任せていらっしゃるということですが、江口さんは今は時計を解体して何をされているんですか?

僕が扱っている時計のほとんどは100年以上の歴史があるメーカーばかりです。それぞれのメーカーには独特のデザインや技術があって、時代に沿ってディテールは変化してきました。受け継がれてきた時計をきちんとメンテナンスするためには、そういった時代考証的なことが分かる人間が必要です。時計では文字盤が特に重要で、修理によってオリジナルのロゴが書き換えられていたりすることがよくあります。あるいは開けてみたら修理が雑でねじ山がつぶれているとか。そういう細かいことをチェックしています。

ヴィンテージ時計を体系化した参考書のようなものは、あるんでしょうか? ヴィンテージデニムなどは90年代にブームがピークを迎え、2000年代に本やムックが出てきましたが…。

時計に関してはまだありませんね。古着と同じで1日に1000本とか、相当な数の時計を見続けると、個体の年代やその時代の特徴が分かるようになってくるんです。指南書がないので、経験を積み重ねて知識を蓄えています。

仕事のやりがいはどんなところにありますか。

僕は誰かが大事な人から受け継いだ時計が止まってしまって、そのまま使えなくなることが残念で仕方がない。若い方が年代ものの時計を修理してほしいと来店することも多く、その時計を見るとストーリーが連想できるんですよね。だからどんな時計でも100%再生したいと頑張っている。そういったものを長く使い続けるために技術を継承したり、古い時計をみんなが良いと思えるような環境づくりをすることに魅力を感じるんです。

ものを選ぶときに大事なのは本質を見ること

江口さんは最近、土屋鞄の「ディアリオ ラージ トート」を愛用されているそうですね。

土屋鞄はシンプルで耐久性があって、いい意味で決まりすぎていないところが良いんですよね。今まで10年以上前に買った土屋鞄のビジネストートを愛用していました。最近、時計を持ってお客さまのご自宅などへ商談に伺うことが増えて、仕事道具をまとめたバッグ・イン・バッグや、時計のケースが入る少し大きめのバッグが必要になったんです。主張の強いバッグよりもシンプルで耐久性のあるものが好きだから、ビジネストートに近いこのバッグを選びました。大きさの割に軽いところも気に入っています。

時計は毎日のコーディネートに合わせているということですが、今日の時計は何ですか?バッグとの相性も考えるのでしょうか。

今日はIWCの1958年の時計を着けています。土屋鞄のバッグは日常的に気張らず使えるのが魅力だと思うので、時計も僕の中では「ガシガシ普段遣いできる」1本にしました。

バッグや時計をコーディネートする際、マイ・ルールはありますか。

時計とアクセサリーや眼鏡の色は合わせるようにしています。今日はシルバーの時計だから、眼鏡もアクセサリーもシルバーです。レザーバッグはこのトートに限らず黒が多いので、靴やベルトなど革小物も黒が多いですね。プライベートではここまでまとめすぎることはせず、例えば靴をスニーカーにするとか、抜け感を入れるようにしています。

江口さんがものを選ぶときに大事にしていることは何でしょうか。

美しいかどうかですね。それから好きかどうか。僕は店で自分が好きな時計を売っています。高いとかブランドとか関係なく、自分の美観で選んできました。だからどんな時計でも好きで使っている人は格好良いし、リスペクトできる。何かを選ぶときは、本質を見極めるということが大事です。

Photo | Yuta Okuyama (Ye)
Text | Hisami Kotakemori

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Text | Hisami Kotakemori

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入荷通知受付中

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ABOUT TSUCHIYA KABAN

土屋鞄が大事にしている、ものづくりのアイデンティティをご紹介

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