Vol.04/小野寺 匠吾

BAG AND
LIFESTYLE
土屋鞄と日常

さまざまな分野で活躍する人たちが日常や仕事を通して、考えていること、大事にしていること。それからライフスタイルを語るときに欠かせない鞄についても。気になるあれこれをインタビュー。第4回はグローバルに活躍する建築家の小野寺匠吾さん。大阪・関西万博のシグネチャーパビリオンを手掛けていることでも脚光を浴びています。建築に留まらず、地球環境を回復させるリストラティブ・デザインに取り組む小野寺さんに話を伺いました。

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土屋鞄と日常

Vol.04/小野寺 匠吾

さまざまな分野で活躍する人たちが日常や仕事を通して、考えていること、大事にしていること。それからライフスタイルを語るときに欠かせない鞄についても。気になるあれこれをインタビュー。第2回はスタイリストの井藤成一さん。洋装だけでなく和装のスタイリングも手がけ、現在は地元・山口県にセレクトショップも出店しています。土屋鞄 日本橋店にリサーチで来店した井藤さんに話をうかがいました。

さまざまな分野で活躍する人たちが日常や仕事を通して、考えていること、大事にしていること。それからライフスタイルを語るときに欠かせない鞄についても。気になるあれこれをインタビュー。第4回はグローバルに活躍する建築家の小野寺匠吾さん。大阪・関西万博のシグネチャーパビリオンを手掛けていることでも脚光を浴びています。建築に留まらず、地球環境を回復させるリストラティブ・デザインに取り組む小野寺さんに話を伺いました。

小野寺 匠吾

建築家

1984年生まれ、神奈川県出身。法政大学工学部建築学科卒業後、東京で実務を経験し、パリに移住。帰国後の2010年、SANAAに入社。国内外のプロジェクト・コンペティションに多数参加して経験を積む。2018年に独立して小野寺匠吾建築設計事務所(OSO)を設立。2022年にはOSO Researchを発足。アーティストや学識者などの外部メンバーと協働し、リストラティブ・デザインを掲げてさまざまなプロジェクトに携わる。

小野寺 匠吾

建築家

1984年生まれ、神奈川県出身。法政大学工学部建築学科卒業後、東京で実務を経験し、パリに移住。帰国後の2010年、SANAAに入社。国内外のプロジェクト・コンペティションに多数参加して経験を積む。2018年に独立して小野寺匠吾建築設計事務所(OSO)を設立。2022年にはOSO Researchを発足。アーティストや学識者などの外部メンバーと協働し、リストラティブ・デザインを掲げてさまざまなプロジェクトに携わる。

STORY.01

デザインの力で
地球環境を回復させる

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STORY.02

強度はもちろん肩掛け
しやすいのも好印象

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ABOUT ITEM

ミディアムブラウン
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ABOUT ITEM

ミディアムブラウン
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デザインの力で地球環境を回復させる

事務所にはたくさんの模型があって圧巻です。話題の大阪・関西万博のシグネチャーパビリオンも。ボックスが重なったようなデザインは、小野寺さんの作品にたびたび登場していますね。

模型があると楽しいですよね。プレゼン中は静かでも、終わった後に模型を囲んで盛り上がることも多いんです。万博のパビリオンはセルと呼ばれるキューブ状の鉄骨ユニットで構成します。外装には「HPC(ハイブリッド・プレストレスト・コンクリート)」という建材を採用していますが、今回はこのパビリオンのために、大阪湾の海水で練ったオリジナルレシピのHPCパネルを開発しました。

コンクリートに海水を使うメリットはなんですか?

通常のコンクリートは鉄筋を使うので海水だとさびてしまうんですが、「HPC」はカーボンワイヤーを使用しているので、塩害に強く寿命が長いのが特徴です。パビリオンはモーダルシフト(貨物輸送をトラックでなく鉄道や船舶を利用した環境負荷の小さい手段に転換すること)に配慮して、海運モジュール(船舶輸送の規格)に即した設計をしています。万博終了後もセル単位で海上輸送やリユースすることができるようにしています。

入荷通知受付中
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デザインの力で
地球環境を回復させる

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STORY.02

強度はもちろん
肩掛けしやすいのも好印象

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ミディアムブラウン
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デザインの力で地球環境を回復させる

事務所にはたくさんの模型があって圧巻です。話題の大阪・関西万博のシグネチャーパビリオンも。ボックスが重なったようなデザインは、小野寺さんの作品にたびたび登場していますね。

模型があると楽しいですよね。プレゼン中は静かでも、終わった後に模型を囲んで盛り上がることも多いんです。万博のパビリオンはセルと呼ばれるキューブ状の鉄骨ユニットで構成します。外装には「HPC(ハイブリッド・プレストレスト・コンクリート)」という建材を採用していますが、今回はこのパビリオンのために、大阪湾の海水で練ったオリジナルレシピのHPCパネルを開発しました。

コンクリートに海水を使うメリットはなんですか?

通常のコンクリートは鉄筋を使うので海水だとさびてしまうんですが、「HPC」はカーボンワイヤーを使用しているので、塩害に強く寿命が長いのが特徴です。パビリオンはモーダルシフト(貨物輸送をトラックでなく鉄道や船舶を利用した環境負荷の小さい手段に転換すること)に配慮して、海運モジュール(船舶輸送の規格)に即した設計をしています。万博終了後もセル単位で海上輸送やリユースすることができるようにしています。

一過性のものではなく、循環させるという。環境のことなどもいろいろ考えてつくられているんですね。小野寺さんは建築事務所の名門と言われるSANAA(サナー/妹島和世と西沢立衛による建築デザインユニット)の出身です。前職ではパリや上海のビッグプロジェクトを手掛けていました。

SANAAに入る前にパリに1年ほど住んでいました。2008年のことで、当時パリの建築事務所でインターンをすることになっていたんですが、到着して2週間後にリーマンショックが起こってしまい…。それでもなんとか知人を頼ってアルバイトでつなぎながらパリで勉強して。帰国後、ご縁があってSANAAに入りました。ちょうどパリの高級百貨店、ラ・サマリテーヌの新築・改修プロジェクトのコンペに勝ったというときで、タイミングが良かったんです。

パリで苦労されたことが、その後のキャリアにつながったわけですね。

そうですね。SANAAには8年間在籍しして、ラ・サマリテーヌのほか上海の高層ビル(上海金融センター)など、国内外のさまざまなプロジェクトを担当しました。SANAAでは大規模な仕事が多かったんですが、2018年に独立してからは個人の住宅やリノベーションなど規模の小さいものが中心でした。そんな中、ひょんなことからパリのブランド、パトゥの東京の初旗艦店を手掛けることになり。ラ・サマリテーヌに関わった経歴がきっかけでクライアントと打ち解けて、アーティスティックディレクターのギョーム・アンリと一緒にパトゥの世界観をつくっていきました。彼と一緒に良い店をつくれたので、パトゥは表参道にはじまって名古屋や福岡、京都などの店舗も担当しています。

パトゥ 表参道がオープンした2022年には関西万博のパビリオンの仕事もすでに決まっていましたよね?

独立後はプライベートな案件と同じくらい、地方自治体との町づくりや地方創生など公共の案件にも携わってきました。その流れで万博のような社会的なプロジェクトに関わるようになって、建築だけでなくもっと広範囲に、環境のことやテクノロジーを掛け合わせ価値の高い提案しないといけないなと感じるようになりました。それで2022年にOSO Research(オソ リサーチ)というアーティスト、文化人類学者、環境エンジニアのような外部メンバーを集めたチームをつくりました。それからはプロジェクトの初期段階から彼らに関わってもらうことで、多角的にコンセプトを深めていく手法を取っています。

理系のエンジニアと文系のアーティストが交わることで、新しいアプローチが可能になるということですね。建築以外にも素材開発や漁礁の事業など、多様なプロジェクトに取り組んでいます。将来的には環境や社会にコミットしていくということでしょうか?

今僕たちがチャレンジしているのは、地球環境を保全したり維持したりするだけでなく、回復させていくこと。それをリストティブ・デザインと呼んでいます。地球には蘇生能力が備わっているので、良い変化を与えるデザインを少ししてあげるだけで、自然は回復していくんです。ハードルは高くなりますがアクティビストとして、建築を手段に社会が良くなることをしていければと思っています。意匠性も今まで通り追求しつつ、社会的なインパクトを付加できればと。

強度はもちろん肩掛けしやすいのも好印象

デスクワークだけでなく、現場に行くなど出張も多い建築家にとって、バッグは必需品ですよね?小野寺さんがバッグに求めることは何でしょう。

手ぶらに憧れていますが、仕事柄ガジェットが多いのでバッグは必要です。バッグには強さを求めますね。若い頃はフライターグのバッグを愛用していました。トラックの幌をリサイクルしているので強度は抜群で、地べたに置いたりしても気にならないのが良かった。ただプレゼンなどに持っていくにはカジュアルすぎて適していないので、社会人になってからは革のバッグを選ぶようになりました。革のバッグは使っていくうちに味が出てくるので、それも強度のひとつだなと。

「トーンオイルヌメ 2wayボストン」はどのようなときに使われていますか??

日帰りや一泊の出張用に使っています。このボストンバッグは仕事にマストなPCやカメラ、ガジェットなどが整然と入られて、形が崩れないので、荷物が多いプレゼンなどにも便利です。PCやスケッチブックは縦にスッキリ入るし、ガジェット収納にちょうど良いポケットもあるので、中が混乱しないんですよ。先日は酷暑の現地調査に、格好は短パンだったんですが、これを持てばきちんと見えるかなと思って持参しました。

プレゼンや現場に行く際「ジャケット着用」みたいなドレスコードはないんですね。

プレゼンなどのドレスコードはないですね。でもなぜか、建築家は世界中、だいたい黒い服を着ている気がします。以前アムステルダムで建築アワードの授賞式に出席したときも、スタイルはそれぞれですが、受賞者はやっぱりほとんど全員黒い服でしたね。

今日はバッグを肩に掛けています。手持ちすることもありますか?

バッグは基本右肩に掛けます。斜め掛けもしません。このボストンはショルダーストラップの太さ、長さがちょうど良くて、めちゃくちゃ気に入っています。事務所から駐車場まで電動キックボードで移動するときも、安定感があってノーストレスです。

複数のプロジェクトが進行中で多忙を極めていらっしゃると思いますが、小野寺さんが幸せを感じる時間を教えてください。

仕事の中でも、実はチームづくりが一番好きです。OSO Researchもそのひとつ。一緒に仕事をしたいと思う人とチームアップして協働することが僕の幸せで、今の事務所にはそういうメンバーが集まっています。ある日事務所に行くと、メンバーがそれぞれ出張に出はらっていて僕ひとりということがあって。思わずインスタにも投稿したんですが、そういうときにチームの成長を感じてひとり感慨にふけったりしています。

一過性のものではなく、循環させるという。環境のことなどもいろいろ考えてつくられているんですね。小野寺さんは建築事務所の名門と言われるSANAA(サナー/妹島和世と西沢立衛による建築デザインユニット)の出身です。前職ではパリや上海のビッグプロジェクトを手掛けていました。

SANAAに入る前にパリに1年ほど住んでいました。2008年のことで、当時パリの建築事務所でインターンをすることになっていたんですが、到着して2週間後にリーマンショックが起こってしまい…。それでもなんとか知人を頼ってアルバイトでつなぎながらパリで勉強して。帰国後、ご縁があってSANAAに入りました。ちょうどパリの高級百貨店、ラ・サマリテーヌの新築・改修プロジェクトのコンペに勝ったというときで、タイミングが良かったんです。

パリで苦労されたことが、その後のキャリアにつながったわけですね。

そうですね。SANAAには8年間在籍しして、ラ・サマリテーヌのほか上海の高層ビル(上海金融センター)など、国内外のさまざまなプロジェクトを担当しました。SANAAでは大規模な仕事が多かったんですが、2018年に独立してからは個人の住宅やリノベーションなど規模の小さいものが中心でした。そんな中、ひょんなことからパリのブランド、パトゥの東京の初旗艦店を手掛けることになり。ラ・サマリテーヌに関わった経歴がきっかけでクライアントと打ち解けて、アーティスティックディレクターのギョーム・アンリと一緒にパトゥの世界観をつくっていきました。彼と一緒に良い店をつくれたので、パトゥは表参道にはじまって名古屋や福岡、京都などの店舗も担当しています。

パトゥ 表参道がオープンした2022年には関西万博のパビリオンの仕事もすでに決まっていましたよね?

独立後はプライベートな案件と同じくらい、地方自治体との町づくりや地方創生など公共の案件にも携わってきました。その流れで万博のような社会的なプロジェクトに関わるようになって、建築だけでなくもっと広範囲に、環境のことやテクノロジーを掛け合わせ価値の高い提案しないといけないなと感じるようになりました。それで2022年にOSO Research(オソ リサーチ)というアーティスト、文化人類学者、環境エンジニアのような外部メンバーを集めたチームをつくりました。それからはプロジェクトの初期段階から彼らに関わってもらうことで、多角的にコンセプトを深めていく手法を取っています。

理系のエンジニアと文系のアーティストが交わることで、新しいアプローチが可能になるということですね。建築以外にも素材開発や漁礁の事業など、多様なプロジェクトに取り組んでいます。将来的には環境や社会にコミットしていくということでしょうか?

今僕たちがチャレンジしているのは、地球環境を保全したり維持したりするだけでなく、回復させていくこと。それをリストティブ・デザインと呼んでいます。地球には蘇生能力が備わっているので、良い変化を与えるデザインを少ししてあげるだけで、自然は回復していくんです。ハードルは高くなりますがアクティビストとして、建築を手段に社会が良くなることをしていければと思っています。意匠性も今まで通り追求しつつ、社会的なインパクトを付加できればと。

強度はもちろん肩掛けしやすいのも好印象

デスクワークだけでなく、現場に行くなど出張も多い建築家にとって、バッグは必需品ですよね?小野寺さんがバッグに求めることは何でしょう。

手ぶらに憧れていますが、仕事柄ガジェットが多いのでバッグは必要です。バッグには強さを求めますね。若い頃はフライターグのバッグを愛用していました。トラックの幌をリサイクルしているので強度は抜群で、地べたに置いたりしても気にならないのが良かった。ただプレゼンなどに持っていくにはカジュアルすぎて適していないので、社会人になってからは革のバッグを選ぶようになりました。革のバッグは使っていくうちに味が出てくるので、それも強度のひとつだなと。

「トーンオイルヌメ 2wayボストン」はどのようなときに使われていますか?

日帰りや一泊の出張用に使っています。このボストンバッグは仕事にマストなPCやカメラ、ガジェットなどが整然と入られて、形が崩れないので、荷物が多いプレゼンなどにも便利です。PCやスケッチブックは縦にスッキリ入るし、ガジェット収納にちょうど良いポケットもあるので、中が混乱しないんですよ。先日は酷暑の現地調査に、格好は短パンだったんですが、これを持てばきちんと見えるかなと思って持参しました。

プレゼンや現場に行く際「ジャケット着用」みたいなドレスコードはないんですね。

プレゼンなどのドレスコードはないですね。でもなぜか、建築家は世界中、だいたい黒い服を着ている気がします。以前アムステルダムで建築アワードの授賞式に出席したときも、スタイルはそれぞれですが、受賞者はやっぱりほとんど全員黒い服でしたね。

今日はバッグを肩に掛けています。手持ちすることもありますか?

バッグは基本右肩に掛けます。斜め掛けもしません。このボストンはショルダーストラップの太さ、長さがちょうど良くて、めちゃくちゃ気に入っています。事務所から駐車場まで電動キックボードで移動するときも、安定感があってノーストレスです。

複数のプロジェクトが進行中で多忙を極めていらっしゃると思いますが、小野寺さんが幸せを感じる時間を教えてください。

仕事の中でも、実はチームづくりが一番好きです。OSO Researchもそのひとつ。一緒に仕事をしたいと思う人とチームアップして協働することが僕の幸せで、今の事務所にはそういうメンバーが集まっています。ある日事務所に行くと、メンバーがそれぞれ出張に出はらっていて僕ひとりということがあって。思わずインスタにも投稿したんですが、そういうときにチームの成長を感じてひとり感慨にふけったりしています。

Photo | Kenta Watanabe
Text | Hisami Kotakemori

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TONE OILNUME
2WAY BOSTON BAG

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ABOUT TSUCHIYA KABAN

土屋鞄が大事にしている、ものづくりのアイデンティティをご紹介

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ものづくりのアイデンティティをご紹介

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