土屋鞄の”ディアリオ“トートは
レザートートの1丁目1番地になる

お気づきだろうか?
上部のステッチ以外、
表からステッチが見えない!

「革の魅力を存分に味わえる鞄をつくりたい」という思いから生まれたこのトートは、普通なら見えるはずの側面&底面の縫製部が正面から見えないつくり!
それもこれも、上質レザーの表情を最大限に活かすためにほかなりません。

「縫製部こそ少ないですが、ごまかしが効かない。それだけに “難しい”鞄です」

「ディアリオ トールトート」の最大の特徴といえるのが、側面上部4か所をつまみ、革を内側に折り込んで閂（かんぬき）留めにするつくり。これにより、正面から見たときに側面の縫製部が自然と隠れ、ご覧のとおりの極めてミニマルなルックスとなるのです。また“自立”のためのコシを担保するという面でも、この折り込みは欠かせません。そしてこの閂留めは、職人の手縫いによるもの。「閂が緩んでしまうと意味をなさないので、ここはロウを引いた太い糸を用い、手で絞りきるように縫います」と職人の平石さんは話します。
正面&側面の革をダーツ取りによって内側へ巻き込み、底面パーツを縁から2cm内側へ縫いつけるのも、ミニマルな見た目を実現するための工夫。「ポストミシンというミシンに鞄を被せて縫うのですが、端のギリギリを縫うので、ちょっとでもズレれば針が外れてしまいます。角を縫うにも鞄自体を回さなければならないので、縫製には非常に気を遣います」とは平石さんの談。なるほどパーツのキワキワを真っ直ぐ走るステッチを見れば、それがいかに精緻な仕事であるかがわかります!

「“粗“のレザーへ
視線を移すきっかけに”密”のステッチが
必要なんです」

革の表情を最大限に活かすためにミニマルなルックスを追求した「ディアリオトールトート」。ですがその一方で、開口部やハンドルには、生成り色のミシンステッチが見られます。同系色のステッチにすればさらなるミニマル化が図れそうなものですが、そうしないのは“あえて”のことと商品企画の丸山さん。

「あまりにメリハリがないと革全体を見てしまうため質感にまで目がいかず、印象がぼんやりしてしまうんです。あえて対比となるもの、“密”な部分を上部に設けることで、視線が“粗”の部分であるレザーへ自然に降りてくる──。『ディアリオ トールトート』のデザインは、そんな“粗と密”をうまくバランスさせているんですよ」(丸山さん)

ハンドル長は手提げ&肩掛けの双方がしやすい長さ。ユニセックスなデザインと相まって、男女でのシェア使いもイケちゃいます。ちなみにこのハンドル、言われなければ気づきもしませんが、付け根から上部に向かってわずかに細まった形状。これにより手提げ時に握りやすくなるとともに、肩掛け時の収まりもよくなるのです。肩掛けおよそ60年、土屋鞄のこだわりを象徴するエピソードですな。

奥が新品の「ディアリオ トールトート」で、手前は約3年間使ったそれ。どうです? 新品もイイ味していますが、色合いといいツヤといい、使い込んだそれのほうが断然、深みが増しているでしょう? ベジタブルタンニンなめしのレザー鞄は元来、経年変化による味増しが期待できるものですが、輪を掛けて深みが増す本品のそれは、まさしくエイジングの醍醐味を体現するもの。そもそものレザーの上質感、表情を際立たせるために考え尽くされたデザイン、デザインをカタチにする熟練の職人技なくして、この味は生まれ得ない!と断言できます。というわけで“ディアリオ”トートがレザートートの1丁目1番地になりうる存在ってこと、納得していただけましたか? 末永ーく愛せるバッグを欲するアナタは、本品を選べば間違いありません!!