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【Designer Interview】「TSUCHIYA バックパック」に込めた思い、こだわりとは?

【Designer Interview】
「TSUCHIYA バックパック」に
込めた思い、こだわりとは?

2023.07.18

「TSUCHIYA バックパック」
つくり手の思いとこだわり

「TSUCHIYA バックパック」は土屋鞄の集大成であり、新しいものづくりへの挑戦も含んだアイテム。
どのような背景で誕生したのか、具体的にこだわった部分とは。そんな、製品ページやSNSでは伝えきれないデザイナーの思いを皆さまにお届けします。

「毎日になじんで、背中を彩るようなバックパックをつくりたかった」

(以下、デザイナー・舟山が語った内容)

制作背景として、「長く使えること」「使いやすいこと」「毎日になじんで背中を彩るようなバックパックをつくりたい」というテーマでデザインしました。それと、直線と曲線を表現できるようなバックパックにしたかったんです。

固い鞄でも良かったのですが、使いやすさや毎日気負うことなく背負える鞄を考えると、柔らかい方が使いやすくて。
あとは、構造的に上部と下部で空間を有効利用できる鞄であること、背負い心地をきちんと反映できるところを意識した結果、今の形にまとまりました。

PRODUCT STORY
つくりの秘密

「特徴的なフォルム」の理由

上すぼまりのバックパックはよくありますが、底が広がっていると、そこにたくさん荷物が入って重さを感じてしまいます。
そこで今回は、裾すぼまりのデザインに仕上げました。上に重心があると軽く感じるから、少しでも上に荷物が入って欲しいと思ったんです。

荷物を入れても革の表情を楽しめる「底面」

フラットなデザインの鞄だと、荷物をたくさん入れるとその形がダイレクトに浮き出て型崩れが起きてしまったり、凹んで変にたわんでしまったりします。
でも、この鞄は底に芯を入れているので、荷物を入れても膨らみはしますが変に膨らむことはなく、膨らんでも革の表情になってくれるんです。荷物を入れて、底面がボコっと膨らむところも楽しんでいただきたいですね。

また、この製品は底面の部分も前面と思っていただきたくて。なので、荷物を入れても格好良く見えるように想定してデザインしました。

柔らかい革で表現する「直線と曲線」

「見た目の美しさ」「気持ち良い形」、さらに「使い勝手の良さ」も感じられるように。職人さんと相談を重ねて試作品をいくつもつくっていただきながら、今のデザインが完成しました。

ランドセルは張りのある固い革を使って直線と曲線を表現しています。今回はそれをソフトな革でどう表現するのかが課題でしたが、「切り目」のポイントを設けることで解消したと思っています。
また、全体にこの切り目をあしらうと単調な印象になってしまうため、一部分に入れています。全体に曲線のラインで流れてしまうところに、この切り目の線の構造を少しプラスする。そうすることで、全体に締まりであったり、互いに引き立つような構造を目指しました。

唯一無二の「背負い心地」

背負い心地に関しては、ランドセルで培ってきた技術をそのまま反映することで、唯一無二になれると思いました。
この鞄は、お子さま向けのランドセルで採用している「立ち上がりセカン」を取り入れています。これを使うと重心が下ではなく上になるので、持った時に背中と鞄の間に空間が生まれにくく、背中全体に鞄が当たるようになるんです。
 
この「TSUCHIYA バックパック」は、物を入れたことで変化する革の表情や、柔らかい革で表現した直線と曲線など、いろんな角度から楽しんでいただきたい鞄です。
そして、お客さまの毎日に彩りを与えられるような存在になっていただければ、つくり手の一人として、とても嬉しく思います。

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