2024.05.05
ご来店されたお客さまに、
革の魅力をより深く伝えるために
vol.3
店舗にご来店いただいたお客さまに、革の魅力をより深く伝えられるように。そして、革をもっと好きになっていただけるように。
そんな思いから、日々お客さまと接する店舗スタッフに焦点をあてた、特別な読み物をご用意しました。
前職の建築出身ならではの視点で、六本木店の魅力を教えてくれたスタッフ・小村(前回の内容はこちら)。
ものを見る視点が周りのスタッフとは異なる印象を受けましたが、他にもこだわりを持っているらしく……。
僕は元々革が好きで、特に社会人になってからは革靴をたくさん集めています。もう5年くらいはスニーカーをはいていません。革靴が好きになってから、自然とお手入れも好きになって。お手入れに使うクリームは大量に集めていて、それらは玄関のシューズボックスにしまって、靴と鞄はリビングに並べて置いています。
ーーすごい!革を見ながら生活されているんですね。
そうですね(笑)
なので、お手入れの頻度は他の方に比べると多いかもしれません。靴磨きに関していうと、帰宅すると毎日必ずブラッシングをしています。僕にとっては日常のルーティンですね。
ーーそんな革と共に暮らす小村さんが、土屋鞄を知ったきっかけを教えてください。
土屋鞄と出会ったのは18歳の頃でした。
高校の卒業と同時に上京して、社会人として働いていたのですが、その時「せっかく社会人になったのだから、良い財布を探そう」と思って、ネットで日本製の財布を探していたんです。
他のブランドも検討していたのですが、偶然「トーンオイルヌメ」シリーズの財布を見つけました。「これだ!」と、すぐに思いましたね。
小村愛用の「トーンオイルヌメ ループロングウォレット」(愛用歴:約6年)
※こちらの製品は現在販売を終了しております
ーーどこに惹かれたのでしょうか?
メイン素材はもちろんですが、内装に「スエード」をあしらっているところに感動しました。
自分好みの革の表情のものを選びたかったので、お店で購入しました。実際に製品を見て気づいたのですが、「トーンオイルヌメ」は表情が実にさまざまなんです。
シボの大きい力強いものや、細かく均一なものまで、いろんな表情の「トーンオイルヌメ」を見て、自分は細かなシボのものが好みだと分かったのですが、その時お店では取り扱っていなくて。それで、複数のお店を見てまわって、辿り着いたのが「西新井本店」でした。入社したのは昨年ですが、入社前に関東圏のお店は全て行きましたね。
自分好みの革を追い求めていくうちに、どんどん「トーンオイルヌメ」の魅力にハマっていって。気付いたら、一番多く愛用しているシリーズになりました(笑)
愛用している「トーンオイルヌメ」シリーズの一つである「トーンオイルヌメ ソフトバックパック」は、2020年に「鎌倉店」で購入しました。同じ製品を愛用しているスタッフのものと並べると表情が全然違うので、自分のものがすぐに分かるんです。それが「トーンオイルヌメ」の良さだなと僕は思います。
次に愛用している数が多いのが、「ブラックヌメ」シリーズです。
ーー「ブラックヌメ」シリーズも好きなんですね。
はい。僕にとって「ブラックヌメ」は、思い入れのあるシリーズなんです。
2018年に土屋鞄と出会ってから、財布やポーチなどの小物は購入していたのですが、鞄はまだ愛用品として迎えていなくて。その当時、鞄はナイロン製のものを使っていたんですけど、2019年に出会いがあったんです。
2019年の11月、二十歳の誕生日を迎える年に自分へのプレゼントとして鞄を探していた時、前月の10月に「ブラックヌメ」シリーズが発表されました。
それまで「ビークル ラージストックトート」や「ディアリオ トールトート」、「トーンオイルヌメ デイリートート」が候補として上がっていましたが、「ブラックヌメ」シリーズの「ブックトート」を見て、すぐに「これだ!」とピンと来たんです。
購入した日にちは今でも覚えています。2019年の12月6日(金)です。仕事終わりに「日本橋店」に向かい、購入しました。
ーーここまで味が出ている「ブラックヌメ」は初めて見ました。
ありがとうございます。新品はとてもマットな質感ですが、使っていくうちにつや感が出てくるのが「ヌメ革」特有の良さだと思います。
傷も入りますが、それすらも愛着になってくれるのが、この革の魅力なのかなと。
内装が「スエード」なのも、外せないポイントですね(笑)
ーーそんな小村さんが次に気になっている製品は?
「ウルバーノ」シリーズの新色「カフェ」が気になっています。僕は「こげ茶」が好きで、靴もこげ茶系が多いので、つい製品を見てしまいますね。あとは、「ディアリオ 2wayトート」とか。タンニン鞣しのエイジングを楽しめる製品に惹かれます。
ーー革好きの小村さんならではの、お客さまとの思い出エピソードってありますか?
そうですね。僕と共通の好みをお持ちの方とお話しした時のことは、特によく覚えています。
以前接客させていただいたお客さまで「Barbour(バブアー)」好きの方がいらっしゃったのですが、その方はバックパックを探されていました。僕もBarbourが好きなので、ジャケットの襟の色と「トーンオイルヌメ ソフトバックパック」を合わせて使っていることをお伝えしたり、自分の愛用品をお見せしたりしました。その接客もあってか、ご購入いただいたときはとてもうれしかったです。
あとは、ビジネス鞄として使う黒のトートバッグを探されていたお客さまには、「ブラックヌメ ブックトート」をお見せしました。その方も僕と同じで靴好きでエイジング好きでしたね。
小村の愛用品
自分の愛用品をお客さまにお見せすることで、どのようにエイジングするのかイメージが湧きやすいと思いますし、革製品を使うことへの楽しさも一層増すのではないかと思っています。
革製品は新品の状態でも一つひとつ表情が違っていて魅力的ですが、せっかくエイジングを楽しめる製品を使うなら、自分だけの味にどんどん育てていただきたいです。「革製品は1日にして成らず」なんて言い方は少し大げさかもしれませんが、毎日を共に革製品と過ごしていただけたら、革好きの一人としてこれ以上の喜びはないですね。
小村愛用品に、六本木店のラッピングサービスで購入できる、革のオーナメントを添えて
編集後記
自分の好きをとことん深めて、その魅力を接客という形でお客さまに伝えるスタッフ・小村。革について語る時の彼の眼差しは、光を集めて輝くビー玉のように、きらきらとしたものでした。「僕のエイジングを見てみたい方は、いつでも気軽にお声かけください」とのこと。
皆さまのお越しを、心よりお待ちしております。