ディアリオ フリーワンショルダー / 愛用歴 10カ月

土屋鞄スタッフに、愛用のアイテムとその思いを聞く「スタッフ愛用品図鑑」。今回は、デザイナーの成田に、愛用中の「ディアリオ フリーワンショルダー」の魅力を語ってもらいました。

――購入した理由は?

同じデザインチームに所属する男性の先輩が使っていて、すてきだなと思ったのがきっかけでした。感性が豊かで、美しいものを見つけるのがすごく上手な先輩なんですが、革のエイジング(経年変化)の感じとか、体になじんでいる様子とか、さっと肩に掛ける時の所作も良くて。

私も以前から、エイジングを楽しめる鞄を持ってみたいと思っていて、買うなら大きな一枚革を使った「ディアリオ」シリーズかなと考えていました。中でもこの鞄は、すっきりとしたワンショルダー仕様でラフ感がありつつ、革ならではの上品さもあって。年齢的に革鞄は少し思い切りのいる値段でしたが、長い目で見て、「うん、やっぱり欲しい」と。革は手入れをすればずっと使えますし、少しずつ自分の形になってエイジングしていく姿を想像したら、すごく楽しみでした。

ーーどのように使っていますか?

仕事で使うことが多いですね。私の働くオフィスから電車で30分ほどの西新井工房に行くときには、パソコンや革のサンプル、金具・パーツの見本などを入れて。身長が159cmの私にとって、大きすぎず、でも必要なものはちゃんと収まるサイズです。電車で座ったときに膝上にちょうど収まるから、隣の人にぶつかることもありません。

布の鞄と比べたらやっぱり重いですが、革鞄にしては軽く感じます。ショルダーベルトの太さが程良く、たくさん荷物を入れても食い込まなくて。中に芯材が入っているから立体感もあり、上品な感じがするのもいいなと思います。


あとは、休みの日にちょっと遠出するときや、カメラを持って出かけたいときにも。撮るのは自然だったり、建物だったり。「この配色、きれいだな」とか、「こういう配置の仕方ってすてきだな」とか、鞄と関係のないものだけれど、そういうものからデザインのインスピレーションをもらっています。


私には兄と弟がいるんですけれど、その影響か、小さいころからマニッシュな服をよく着ています。色はベージュ系やネイビー系が多くて、最近はカーキも。そうした色の服に、この鞄のちょっと赤っぽい色が合うんです。ほっこりしすぎず、重くもならず。デザイン性のある鞄なので、シンプルな服装のときもこれを持てば決まる、みたいなところがありますね。

実は父も、同じシリーズの「2wayトート」を使っています。でも私には「絶対、『フリーワンショルダー』の方が似合っている」って。女性が持ったときにより女性らしさが出る形というか、そういう比率のフォルムだからでしょうか。そんな父とは一緒に鞄のケアをすることもあって、「ここのエイジングがいいね」とか話しながら、クリームをなじませています。

ーーお気に入りのポイントは?

マチの1段落ちているところが、すごく好きです。ここが真っ直ぐだと重い印象になるかもしれませんが、1段落ちているおかげで、すっきり感や抜け感が出て。あと、持ったときに形が崩れず、きれいなシルエットを保てるように、ほんの少し上すぼみの台形型にしてあるところも。置いたときも、持ったときも美しく見えるんです。


そしてやっぱり、革の成長を楽しめるところは大きな魅力です。使っていくうちに体に寄り添うようになじんで、自分の形になっていくのがすごくいいなあって思いました。初めは少し革に張りがあるんですけれど、少しずつ、くたっとなってきて。

この鞄は革の面が大きいところが魅力なんですが、その分、傷が付く面も大きい。だから使い始めのころは、電車や人混みで傷が付かないように必死で守っていました。でもエイジングしてくると、「あの時に付いた傷、いい感じになじんできたな」と逆に味わいになっていて、それがじわじわとうれしくて。これから一緒に時間を重ねていく中で、風合いをますます深めていくのが楽しみです。