Diario

「ディアリオ」の原点は、2008年に登場した前身シリーズのトートバッグにさかのぼります。当時としては珍しかった大型のオールレザー製で、余白を大切にする“美意識”、素材から漂う“上質感”、そしてランドセル製造の歴史を背景とする“品格”から、ロングセラーシリーズへと成長していきました。現在のシリーズ名はイタリア語の「日記」に由来し、どのモデルにも「日記のように日々の時間を革に刻みながら、自分らしさと愛着を深めてほしい」という思いが込められています。

「ディアリオ」の“シンプルさ”は、ただ要素を排除しただけではありません。実用的な道具としての機能を備えつつ、“粗と密”や“余白”を意識したことで生まれました。

革をおおらかにあしらいつつ、目を引きやすいミシンや手がかりのステッチは上部のみに集約することで、バッグから漂う“粗密”のバランスをアレンジ。また、直線的な輪郭に対して側面や底面にわずかな曲線を加え、有機的な魅力も付与。日本人の美意識を宿しています。

素材には、表面にオイルをたっぷり塗り重ねたスムース調の牛革「オイルメロウレザー」を使用。豊かで奥行きのある風合いを醸し出しています。程良い厚みがあってハリ感にも優れているため、あえて裏地のない内装に。染色の濃淡やスエードのような繊維の風合いなど、革の裏面でしか見られない豊かな表情をありのまま味わうことができます。

土屋鞄が誇る熟練職人による手仕事は、あらゆるディテールに宿っています。その一つが、生地の端部に見られる切り目の処理。柔らかな革の曲面とは対照的に、輪郭はすっきりと端正な印象に。切り目一つひとつを丁寧に磨き上げることで、おおらかさの中に凛とした表情を添えています。

植物タンニンだけで鞣しているため、時間とともにつややかな表情に。使い込むほど柔らかくなり、自分の身体に寄り添ってくれるので、愛着もいっそう深まります。

新型「ディアリオ 2wayトート Medium」は、シリーズのコンセプトを現代に合わせて再解釈することで生まれました。13インチPCが入る大きさで、仕事から休日まで気軽に使えます。

シリーズで初めて開口部にファスナーを採用。荷物が転落する心配をなくし、よりさまざまなシーンで使いやすくなるような“余白”を生み出します。トップにファスナーがあるので、内装のポケットはさっとアクセスしやすいオープンタイプに。また、既存の「2wayトート」よりショルダーストラップを長めに調節し、どんな方にもバランスよく持っていただけるように仕上げています。