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【特別号】
スタッフ・山添と嶋谷が、
「トーンオイルヌメ」について
語り合います(後編)

2024.01.10

「トーンオイルヌメ」シリーズ
特別対談(後編)

このたび、ロングセラーシリーズ「トーンオイルヌメ」のアイテム2型を数量限定カラーで製作。明日1/11(木)より、Tsuchiya Clubの皆さま限定で先行販売を実施いたします。

そこで「トーンオイルヌメ」製品の愛用者でもありメルマガでもおなじみの2人に、数量限定色で仕立てた2型のアイテムについて語り合ってもらいました。

土屋鞄のスタッフの中でも革マニアとして知られる山添(右)と、元店舗スタッフの経歴を持ち、インスタライブでもおなじみの嶋谷(左)が語る内容は、編集部もうなるほど発見の連続でした。読み終えた頃には、限定カラーの2アイテムを実際に手に取りたくなるはず。どうぞ最後までお付き合いください。

 

エイジングした色を想像しながら
製品を選ぶ楽しさ

ーー今回登場する数量限定カラーを含めた「がま口ポケット財布」を、ずらりと並べてみました。

山添:嶋谷くんはどの色が気になりますか?

嶋谷:僕は「ダークグリーン」推しです。カーキ色が好きというのもありますが、「トーンオイルヌメ」が持つ雰囲気と革の質感、経年変化による革の変化も含めて楽しめるのが「ダークグリーン」なのかなと。山添さんはどうですか?

山添:あえて推し色を選ぶなら「ネイビー」かな。爽やかな印象のがま口って、あんまり見ないような気がして。そういった意味で惹かれますね。

※公式サイトより抜粋

嶋谷:良い意味でがま口らしくないというか、男性が使いやすそうですよね。

山添:エイジングで面白そうなのは「オレンジ」かな。

嶋谷:「オレンジ」と「ブラウン」を並べてみると、色の違いがより分かりますよね。
既に「ブラウン」を愛用されている方には、ぜひ「オレンジ」を次のカラーとしておすすめしたいです。

※手前:数量限定カラー「オレンジ」、奥:「ブラウン」

山添:同じ製品で新しいものに買い替える時に、同じ色のものを選ぶのももちろん良いですが、少し色味の異なるものを楽しんでみたい方には「オレンジ」は面白いかも。

嶋谷:「オレンジ」は少し明るい色味なのでチャーミングさというか、ポップで元気な印象がありますね。手元が明るくなるような気がします。

山添:エイジングしてどんなふうに変化するのかを想像しながら色を選ぶと、楽しいですよね。

リピート購入に繋がっている
「がま口」+「二つ折り」の機能

ーー土屋鞄製品の中でもロングセラーアイテムである「がま口ポケット財布」。その理由はなんだとお二人は思いますか?

山添:まず製品のアイデアが面白いと思います。がま口の形に他の機能を合わせたものって、他ではあまり見たことないかもしれません。

基本的にはがま口の財布って、それ単体で使うことが多いですよね。がま口と別の財布を持たないといけない。

嶋谷:がま口の財布は視認性が良い一方、中身の整理が難しいですよね。
でも「がま口ポケット財布」は、カードも入ってお札も分けて収納できる。がま口だけでは実現できなかった機能を二つ折りの機能と合わせることで、新しく実現できたのかも。

山添:二つ折り財布の視点から考えると、そこまで新しい要素はないのかもしれませんが、「がま口」から見たら、新しい要素が多い。だから、がま口好きの人たちにとってはすごく嬉しい財布ですよね。

嶋谷:あとは、がま口というと「和」っぽさが感じられるというか。昔ながらの形という印象を持たれがちかもしれませんが、この財布は現代のスタイルにも合わせやすい印象があります。

山添:自分は「トーンオイルヌメ」ならではの洗練さがあるからだと思いました。お店ではどんな方が購入されていましたか?

嶋谷:がま口が好きな方や、小銭の出し入れがしやすい二折財布をお探しの方が多い印象でした。どちらかと言われれば、女性の方が多かったですね。

山添:シンプルな使い勝手やレトロなデザインが好みのがま口リピーターの方って、一定数いらっしゃいますよね。スタッフの中にも、ご家族で愛用されている方がいます。

※右:スタッフの愛用品、左:スタッフの母の愛用品

嶋谷:先日、イベントでお客さまとお話しする機会があったのですが、その時に「『がま口ポケット財布』を長年使ってきたんだけど、さすがにくたびれてきて。ちょうど限定色の同じ財布を見つけたので、それに買い替えようと思っています」と、教えてくださった方がいらっしゃいました。

山添:同じ製品でリピート購入していただけるというのは、つくり手として嬉しいですね。機能的だからこそ、リピート購入してくださるのだと思います。

「革の表情の変化も、毎日楽しみながら使って欲しい」

ーー続いて「がま口ポケット財布」と同じく、数量限定カラーで登場する「ソフトミディアムバックパック」について質問させてください。
お二人から見て、この製品の魅力はなんだと思いますか?

山添:自分は、このバックパックは「ザ・トーンオイルヌメ」という感じがしました。具体的にいうと、まず革がすごく楽しめる形とデザインであることですね。

前面で広く革を楽しめることもありますが、全体的にも柔らかな形であること。なじんでくったりしてきた方が表情を楽しめると思います。

嶋谷:山添さんのお話を聞くと、改めて「トーンオイルヌメ」らしいバックパックだなと思います。

シンプルな形ですが、革を贅沢に使った仕立てですよね。バックパックというと、前にポケットや装飾が入っていたりと、デザインがあしらわれていることが多いですが、この鞄は一枚革でつくられていて。荷物を入れると口元の革が下に引っ張られて、くたっとなりますよね。このたわみを楽しんでいただけるとうれしいです。

嶋谷:デザイナーとデザインについて話すと、よく「使っていくうちにどう変化するのか」という話が上がるので、これもまさにその狙いが反映された製品なんだなと感じます。

山添:それって、土屋鞄ならではの発想ですよね。形は柔らかいけど、全体として見ると四角に近い。確か、「四角い形だからこそ、形の変化が分かりやすくなる。そういった表情の変化も毎日のように楽しんでほしい」って、デザイナーが話されていたような記憶があります。

※左:ソフトバックパック、右:ソフトミディアムバックパック

嶋谷:全体としてはきれいな四角いシルエットに仕上がっていますが、おおらかなラインになっているのはデザイナーのそういった思いがあるのかもしれませんね。

山添:「全体の形の変化まで楽しめるシルエットにしている」という意味では、“進化版”という印象もあります。おそらく「トーンオイルヌメ」シリーズの中で、中盤に登場した製品なのではないでしょうか。

嶋谷:そうですね。「トーンオイルヌメ」シリーズが誕生した当時の解釈とはまた少し異なるような気がします。シリーズ初期の製品を愛用されたお客さまと接して改めて感じた「トーンオイルヌメ」の魅力を、デザインに加えてアップデートしているのではないでしょうか。

山添:そういった意味では「進化」でもあるし、「トーンオイルヌメ」のコンセプトをより深めたという意味の「深化」でもあるのかもしれませんね。

鞄の膨らみを生み出す、底面のつくり

山添:改めて製品をよく見て気づいたのですが、底面の緩やかな曲線が鞄のくったり感をより出しやすくしているのかもしれません。
こういったパッと見えない部分も、デザイナーや職人がこだわっているんだと思います。

嶋谷:このデザインにすることで、鞄の中心部分に膨らみが生まれていますよね。

※こちらは、愛用者さまがInstagramでご投稿されたお写真です

山添:角や底面の張りのある部分と、柔らかく動く部分が組み合わさることで、使う人はもちろん中に入れる荷物によっても豊かな表情を楽しむことができる。それを革の魅力として楽しんでいただきたいです。

嶋谷:押さえるところと任せるところですね。

山添:そうそう。“押さえ”と“任せ”。

嶋谷:シンプルな箱型のバックパックをつくろうとすれば、口元の耳って必要ではないと思うんです。

ボタンを外してファスナーを開けば広く開閉できる機能でもありますが、それを折り返した形状になっているので鞄の下部がたわんでも型崩れには見えない。

山添:押さえが効いていますよね。口元を固めているからこそ、全体の印象が引き締まる。

嶋谷:使い勝手の良さを伝えることが多いのですが、デザインの視点からするとこういった部分も製品の魅力だと思います。

ーー特別対談の最後に、嶋谷さん、数量限定カラーのバックパックを使ったコーディネートをご提案いただけますでしょうか? 併せて、嶋谷さんが考えるポイントなども教えてください。

※身長171cm
※上:「ネイビー」、下:「ダークグリーン」

嶋谷:バッグをアクセントにしたいので、「ネイビー」のバックパックはカーキのゴム引きコートを、「ダークグリーン」にはブラックのクルーネックニットを合わせました。
パンツは全体のコーディネートが重くなりすぎないように白を選んでみました。

ーー今回も素敵なお話をありがとうございました。最後にメルマガを読んでくださっているTsuchiya Clubの皆さまへ、一言お願いします。

山添:長年土屋鞄の製品を愛用してくれている方や、最近すごく興味を持ってくれている方の「一歩踏み込んだより深い内容を知りたい」というご期待にお応えできていたらうれしいですね。これからもマニアックな情報やネタをお届けしていきたいと思います。

嶋谷:メルマガをわざわざ読んでくださっている方というのは、土屋鞄のことや製品が好きな方が多いと思います。そんな皆さまが、より製品を楽しく使うための内容をお届けできれば良いなと思います。
もっとこんな内容を知りたいという質問や相談があれば、ぜひ教えていただきたいです。

お客さまからすると小さなことかもしれませんが、つくり手側である僕たちからすると「そんなところに興味があるんだ」と気付きにも繋がります。

山添:ご意見が採用されるかどうかは編集部次第ですが(笑)、とりあえず思っていることを書いていただけると嬉しいですね。

嶋谷:読み物でありながら、少し読者の方とコミニュケーションが取れれば良いですね。

山添:土屋鞄のことをもっと楽しんでもらえたらと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!

さて、いかがでしたでしょうか?
後編では数量限定色で仕立てた2型のアイテムについて語っていただきましたが、まさかバックパックの底面のデザインや、それぞれの推し色を教え合う(それもエイジングを踏まえたセレクト)になるとは……。

今後も、さまざまな場所で活躍する土屋鞄のスタッフが登場するかもしれません。どうぞ、お楽しみに。

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