知れば知るほど、奥が深い革の世界。思わず誰かに話したくなるような、
革などにまつわるエピソードや
まめ知識を連載でお届けします。
知れば知るほど、奥が深い革の世界。
思わず誰かに話したくなるような、
革などにまつわるエピソードや
まめ知識を連載でお届けします。
京の舞妓さんや歌舞伎役者の間では、昔から化粧落としに真っ白な鹿革が重宝されてきました。これは兵庫県・姫路の伝統的製法「白鞣し」でつくられた鹿革で、鞣しに使うのは菜種油と塩、そして清流の川の水だけ。この革で顔を拭くと、余分な角質や毛穴の老廃物が取れ、肌がすべすべに保たれるのだそうです。
その理由は、鹿革の革質にあります。鹿革は非常に微細なコラーゲン線維が超高密度で絡まり合っている素材で、線維の細さは髪の毛の15万分の1。そのため肌触りがたいへん優しく、どんなに小さな汚れでも逃さず吸着してしまうのです。しかも、白鞣しの革は水に強いので洗えば繰り返し使え、100%天然仕上げなので身体にも安心。昔の人の知恵には、感服するばかりです。
干し柿が甘柿ではなく渋柿からつくられるというのは、意外に知られていないようです。これは、渋柿には甘柿よりも多くの甘味成分が含まれているためで、干して「渋が抜ける」と甘柿よりも甘くなるからです。では、なぜ渋柿を干すと「渋が抜ける」のでしょうか? それは、革のエイジングに少し似た仕組みなのです。
渋柿の渋味の原因は、皮を鞣すタンニンの一種「カキタンニン」。これは水溶性なので唾液に溶けて強烈な苦味を発揮し、甘味を消してしまいます。ところが渋柿を干して乾燥・熟成させると、水に溶けにくい性質に変化。すると舌が苦味を感じなくなり、本来の甘味だけが感じられるのです。柿も革も時間を置くと「味が増す」とは、面白いですね。
結婚50周年は「金婚式」。では、3周年は? それはなんと、「革婚式」です。日本ではあまり知られていませんが、欧米では結婚3周年のテーマが伝統的に「革」なのだそう。したがって、夫婦で革製品を贈り合うことがあるそうです。では、なぜ結婚3周年が「革」なのでしょうか。
国によって若干異なるようですが、線維がしっかりと結び付き合い、使うほど柔らかさとあたたかみを増す革の性質が、理想の夫婦像を思わせるからです。そのほかドイツやロシアでは、互いの理解が深まって「皮膚」のように身近な存在になったことのお祝い・・・という意味なのだとか。いずれにしても、革のようにあたたかく強い関係を築こうというのは、共通のようですね。
京の舞妓さんや歌舞伎役者の間では、昔から化粧落としに真っ白な鹿革が重宝されてきました。これは兵庫県・姫路の伝統的製法「白鞣し」でつくられた鹿革で、鞣しに使うのは菜種油と塩、そして清流の川の水だけ。この革で顔を拭くと、余分な角質や毛穴の老廃物が取れ、肌がすべすべに保たれるのだそうです。
その理由は、鹿革の革質にあります。鹿革は非常に微細なコラーゲン線維が超高密度で絡まり合っている素材で、線維の細さは髪の毛の15万分の1。そのため肌触りがたいへん優しく、どんなに小さな汚れでも逃さず吸着してしまうのです。しかも、白鞣しの革は水に強いので洗えば繰り返し使え、100%天然仕上げなので身体にも安心。昔の人の知恵には、感服するばかりです。
干し柿が甘柿ではなく渋柿からつくられるというのは、意外に知られていないようです。これは、渋柿には甘柿よりも多くの甘味成分が含まれているためで、干して「渋が抜ける」と甘柿よりも甘くなるからです。では、なぜ渋柿を干すと「渋が抜ける」のでしょうか? それは、革のエイジングに少し似た仕組みなのです。
渋柿の渋味の原因は、皮を鞣すタンニンの一種「カキタンニン」。これは水溶性なので唾液に溶けて強烈な苦味を発揮し、甘味を消してしまいます。ところが渋柿を干して乾燥・熟成させると、水に溶けにくい性質に変化。すると舌が苦味を感じなくなり、本来の甘味だけが感じられるのです。柿も革も時間を置くと「味が増す」とは、面白いですね。
結婚50周年は「金婚式」。では、3周年は? それはなんと、「革婚式」です。日本ではあまり知られていませんが、欧米では結婚3周年のテーマが伝統的に「革」なのだそう。したがって、夫婦で革製品を贈り合うことがあるそうです。では、なぜ結婚3周年が「革」なのでしょうか。
国によって若干異なるようですが、線維がしっかりと結び付き合い、使うほど柔らかさとあたたかみを増す革の性質が、理想の夫婦像を思わせるからです。そのほかドイツやロシアでは、互いの理解が深まって「皮膚」のように身近な存在になったことのお祝い・・・という意味なのだとか。いずれにしても、革のようにあたたかく強い関係を築こうというのは、共通のようですね。