PATINA 憧れのパイロットウォッチ

わたしの愛する、古き良きもの

わたしの愛する、古き良きもの

「Sinn 103.B.AUTO クロノグラフ」

STAFF / TAKESHI YAMAZOE
愛用歴21年

雨の日の気分を上げてくれる、男前な傘。

お気に入りの傘が一つあるだけで、雨の日はうんと楽しくなる。それを人生で初めて教えてくれた、職人仕立てのブラウンの傘。この傘と出合うまでは、服や靴が濡れてしまうし、クセ毛の髪が言うことを聞かなくなるし、雨の日はたいてい憂鬱だった。でも、この傘を差して歩き出すと、そんな下がり気味な気持ちはいつの間にか吹き飛んでいて、「雨の日も良いものだよなあ」なんて、軽い足取りで歩いている自分がいる。

傘にこだわりを持ったきっかけは、昔、デート中に傘のビニール部分が剥がれて飛んでいってしまい、恥ずかしい思いをしたから。その時に「男として、きちんと良い傘を1本持っておこう」と心に決めた。そうして僕の前に現れたのが、この傘だ。まさに一目惚れだった。襞(ひだ)まで美しい艶のある生地に、それを引き立てる、太くて男前な手元。どのパーツにも職人の丁寧な技が光っていて、人の手から生まれたものだけが持つ、何か品のようなものに強く惹きつけられてしまった。

 

冒険心を掻き立てる、憧れのパイロットウォッチ。

新社会人になって初めてのボーナスで購入した、記念の、そして思い出の腕時計。雑誌で観てずっと憧れていたパイロットクロノグラフで、はじめて腕に巻いた時の感慨は今も忘れられない。

直径41mm・厚さ15.5mmの金属の塊のような大きめのボディは腕に着けるとずしりとくるが、慣れた今ではこの重量感が実に心地いい。革ベルトは何度か替え、今は昔の飛行機乗りをイメージして軍用タイプを装着している。ときおり耳をガラスにつけて、毎秒8ビートのテンプのリズムを聴くのがひそかな愉しみだ。

 

視認性に優れ、暗い所でも見やすい黒文字盤×夜光の数字インデックス。典型的なパイロットウォッチのメカニカルなクールさとタフな男っぽさが気に入っていて、レトロな顔立ちに冒険心を掻き立てられる。ベゼル(ガラス周りの縁)についた傷もいい味を出していると思う。

透明な裏蓋越しに、ゼンマイを巻くローター(振り子)の滑らかな回転や、数百と組み込まれた歯車やレバーの精緻なメカニズムを見られるのも楽しい。これからもオーバーホールをして、大事に使っていきたいと思う。

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