「ブライドル」シリーズに採用される「ブライドルレザー」は、英国で馬具用につくられている伝統的な高級皮革素材。この革の特徴は何と言っても、表面に浮かぶ「ブルーム(ロウの白い粉)」です。
TIME FOR LEATHER CARE
革のお手入れ時間
Vol.3
BRIDLE
「革の種類によって、お手入れ方法は違うものなの?」ーーそんな疑問にお応えして、土屋鞄のシリーズごとに革の魅力とお手入れポイントを連載でご紹介します。
ブラッシングやオイルケアなど、どんな革でも基本のお手入れは大きく変わりません。ただ革の特徴や製品の仕立てに合わせてケアができると、不思議と使い心地も愛着もぐんと深まるもの。
今回は、伝統的な馬具用の革素材で、気品と格調の高さが魅力の「ブライドル 」シリーズ。愛用のアイテムと一緒に、お手入れのひとときを過ごしませんか。
1.「ブライドルレザー」とは
土屋鞄で使用している「ブライドルレザー」は、英国の名門タンナー・J&Eセジュウィック社が手掛けた革。厳選された成牛原皮の肩部分を100%植物性のタンニンでピット鞣しし、さらにドラム鞣しをするという2度の鞣し工程を経てベースレザーを仕上げます。その上で、手作業で何度も革にロウを擦り込むことで、繊維の間にロウがしっかり浸透し、耐久性を高めているのです。
2. お手入れのポイント
では、「ブライドルレザー」の特徴に合わせたお手入れをしていきましょう。まずは、革の表面に浮かぶ「ブルーム」をどうするか。使い始める前に落として、すっきりさせるのも良し。自然にブルームが落ちていく様子を楽しみながら使うのも、おすすめです。自分の好みに合わせた使い方で、どうぞお楽しみください。
ここでは、「ブルーム」を落とす場合のやり方とオイルケアの、2つのお手入れ方法をご紹介します。
※ロウを十分に含んでいる製品のため、ご購入から半年〜1年くらいまでは、オイルケアは不要です。
Before you use
使い始める前のケア
<用意するもの>
・ポリッシングクロス(1枚)
・ケアブラシ(製品付属)
※「ブライドル」シリーズのアイテムにのみ付属しています。
Point
「ブルーム」を落とす
(ブラッシング)
製品に付属されている馬毛ブラシを使って、ブルーム全体を満遍なくブラッシングしましょう。このとき、“力を入れずにささっと払っていく”のがポイントです。ブラシの向きを一定方向にそろえてこすると、白いブルームの刷毛目(はけめ)もその向きに沿った状態に。縦横斜めと向きを変えて繰り返すことで、全体的にブルームが落ちていきます。ブラッシングを終えたら、仕上げにクロスで乾拭きをしてください。
After you use
使い始めた後のケア
<用意するもの>
・ポリッシングクロス(1枚)
・コロニル シュプリームクリームデラックス
・ケアブラシ(製品付属)
※「ブライドル」シリーズのアイテムにのみ付属しています。
お手入れを始める前に
中身を全て取り出す
財布の中に紙幣やカードなどが入っている状態は、革に負荷がかかっています。ケアをする時は中身を全て取り出し、革をリラックスした状態にしてあげましょう。ブルームが革になじんでから、オイルケアをする
「ブライドルレザー」表面のブルームはロウなので、これが残っている状態でオイルケアをしてもオイルが革に染み込まず、皮膜ができてしまう可能性が・・・。「ブルーム」がなじんだ状態になってから、ケアをしてください。Point.1
潤いと栄養を補充する
(オイルケア)
まず、革に潤いと栄養を与える「オイルケア」をしましょう。オイルを加えてあげることは、傷みや汚れを緩和することにもつながります。
財布など小物の場合、クロス、または指に直接オイルを取って、塗り込んでいくのがおすすめです。クロスを使うときは、きれいな面で行ってください。指の場合は、革肌の状態が触感でも確認しやすく、体温でオイルがなじみやすくなるという利点があります。
※ロウを十分に含んでいる製品のため、ご購入から半年〜1年くらいまでは、オイルケアは不要です。革の表面にカサつきを感じたり、汚れが気になり始めたら、お手入れを試してみてください。
一度に塗るオイルの量は、米粒程度で十分です。少しずつ、さっさっとリズミカルに全体へ塗り込んでいきます。革の特性上、するすると滑りが良く伸びも良いですが、革の状態によっては、オイルが染み込みにくい場合もあります。
ポイントは少しずつ、薄く塗り込んでいくことです。財布の四隅や折り目の部分は、念入りに行いましょう。
Point.2
奥行きのあるつやを深める
(乾拭き)
最後は乾拭きです。オイルを塗り込んだ後、30分程度時間を置いて、表面のペタペタとした状態が乾いたら、きれいなクロスで優しく拭き上げてください。
3. 愛用時間とエイジング
使い込むほど表面のブルームが磨かれていき、味わい深い艶へと変化していく「ブライドルレザー」。自分だけの表情に変化していく様子を、じっくり堪能してみませんか。
「ブライドルレザー」についてのQ&A
Q.ブルームが付着した状態で、防水スプレーをかけても大丈夫でしょうか?
A.ブルーム(白いロウの粉)が残っている状態では、防水スプレーをしなくて大丈夫です。ブルームが革になじんでから行ってください。
Q.保管方法はどのようにすれば良いでしょうか?
A.他の革製品と同じように、通気性の良いところで保管してください。夏場・冬場は、冷暖房などによる急激な温度変化により、表面に白いロウの粉が浮き出ることがありますが、指や柔らかい布で革に擦り込むと、元の状態に戻ります。
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